営業の達人への道


営業の仕事とは受注から始まり、売上し、そして入金まで。基本を越えた手法・考え方が必須。

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応用編 7. 1円入札

7.1円入札  
 今でこそ聞かれなくなったが、バブル全盛から後期にかけて、この1円入札なるものが、時として行われたものだ。仕掛人は大体、大手メーカがほとんどで、それもメーカも限られていた。1円入札で負けたということはないが、一度これに近い入札の現場を体験したことがある。ある市の観光情報・公共施設案内のシステム構築物件の入札だったが、応札者は15社、メーカ、電信業者、地元デイラー、リース会社等。 営業マンは大体どんな会社でも時間に追いかけられているものだが、こんな中、この入札に参加することになり、準備に丸1週間を費やした。なんせ、普通に積み上げれば1億円というレベルの噂がしきり。こんなシステムをエイヤッでは絶対見積れないし、また、そんな根拠のない見積もりでは1歩間違えば、会社が潰れるし、社内決済も通る訳がない。ということで、情報入手、SEとの協議、資料作成また協議と毎晩夜遅くまで時間を費やした。明日入札日いう時に、最高TOPまで最終決済を取り、応札金額を67,000千円と決定。勝負に臨んだ。入札に際し、入札保証金の確認。普通、高価格の入札の場合入札保証証券なるものを火災保険会社で取って望むが、1社現金を持参したところがあった。緊迫の中での愚行とも見れる金額確認の後、いよいよ各社応札。こういう入札は大体1回目で決まる。あとは辞退のパターン。いよいよ開封された。この状況では、金額の低いところの札が、上へ上へと繰り上がる。数社なら札を眼で追いかけられるがこの度は15社、混迷の中で落札者の発表。また、F社だった。落札金額100千円。入札係の職員はその場でこのメーカを呼んで、やや震えた声で「この金額に間違いありませんか」と確認。「ありません」の声に入札室が虚脱感のようなしらけたムードに変わっていった。営業努力による賞賛の声なんかは全くない。「なにしとんやー」「また馬鹿なことしゃがって」が大筋の意見。「1週間の時間を返せ」という気持ちもあったが、反面、とにかくこちらの不手際なく、ことが済んだという気持ちもあった。こうして、この物件はF社により構築(当然どこかの焼きなおし)され、次年度、このシステムを動かす、機器は何時の間にか、隋契でやはりF社により、導入されていたのだった。
 

応用編 8. 夜討ち朝駆け1

8.夜討ち朝駆け1  
 最近ではあまり聞いたことがないこの言葉。 業界により、これに近い営業活動を行っているところもあるかもしれない。時代の変遷により、こういったある意味で過激な、言いかえれば熱意のある行動は敬遠されるのかもしれない。しかし、大型物件、はたまた命を賭けるような営業プロセスでは、必ずこれに近い行動を起すものだ。もし、これに近いことの体験が出来ていない人は、幸せなのか、間抜けなのか本人の考え方次第だが、達人としての壁を超えていないことは確かだ。対人間同士のぶっつかり合いがここでは見られる。今までの自分の営業のあり方が、そのキーマンの玄関口で試される。人間はお客でも営業マンでも物事を決めていく段階では精一杯、本気になるものだ。営業マンが本気と思ってやっていても、お客として見た場合、以外と脆い所が出てくる。例えば、営業マンからはそのお客は特定だが、お客から営業マンを見ればそれは特定でなく選択の一つなのだ。従って、来ている営業マンの人物比較は当たり前、キーマンを取り巻く全員が審査員なのだから。 こうして大詰めとなり、最終決定の総合判断を下すキーマンのところへ皆が象の耳となっている会社では決して聞けない本音の打診に行動することになる。 この時点でそのキーマンとの間に一種の人間関係が出来ていればコトはやり易い。しかし最後まで心の奥が読めぬことも多い。営業マンはここで夜討ち朝駆けを実行するかどうか悩む訳だが、時間はどんどん経っていく。どうする!! そして決断。時間を量って夜の住宅地向けて出発することになる。



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