営業の達人への道

      営業マンとして身につけておかねばならないマナー・行動、考え方の基本

入門編 27.刷り込み

27.刷り込み

 
 刷り込み
(すりこみ)とは、動物の生活史のある一瞬に、特定の物事がごく短時間で覚え込まれ、それが長時間持続する現象をさす。・・・(動物行動学)
 何やら、いきなり硬い話しになりそうで恐縮だが、営業マンの新人教育においてもこの刷り込みと同様なことがしばしば起る。  営業マン駆け出しの頃、SE上がりで営業経験も無く、ただ仕事の話が出来るという上司と共に営業活動を行なったことがある。まだ、営業とは何かも明確でなく、いろいろ自治体に飛び込んで行っては、弊社会社紹介、業務紹介の話しを経て、何か出来ることはありませんか?の話しで終わってしまう。 今と違って、まだまだ大らかな時代で、それでも話しは聞いてもらえたが、一向に仕事に結びついていかない。こんな同行訪問を1年程度もやってから、やれ単独で営業してこいということになった。営業のやり方がよく呑み込めていないひよっ子な訳だから、今までと同じやり方で営業活動を行う。その程度では仕事は取れない。また、1年ほど悩んだ。その内に、営業に対する自覚も出来てきて、自分というキャラクターに合った営業展開が図れるようになった。そうして、今までの営業のやり方を振り返り、いい点、悪い点も見えるようになった。しかし、その間もなかなか、それまで身についた悪癖が取れない。 成績に影響する。こんな事で、随分悩んだものだが、その一つに、顧客に対して、営業マンは下手に出るというやり方だった。当時コンピュータ営業は、主として、組織のトップに会うことも多く、なおさら、そんな態度になりやすかったのかもしれない。それは後のある営業研修で「営業マンと顧客は対等」というキーワードで解決したのだが。
 もし、企業で営業強化に伴ない新人営業マンを配属させるのであれば、この刷り込みが必ず起るから、営業マンの上につける人間はよく人選したほうがよい。そうすることによって、新人営業マンは近道を通って成績を上げれるようになるし、また、不要な悩みを抱えることもない。また、会社にとっても、営業工数のロスもなく、数字が早く獲得できるはずだ。 
 営業マンも人間、人間も動物。鳥なんかは本能的に、生き延びるためにこの刷り込みを行うが、新人営業マンも同様に生き延びるために、深層心理的にこれをやっているんだね・・・。

       

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