これからどうなる

”☆☆介護保険に十五言☆☆”


「五月の連休に可愛い子うさぎが9匹生まれた。」と聞いて、のぞいてみると毛も生えていない真っ赤な肌で、気持ちが悪かった。子うさぎの目はまだ何も見えないようだが必死になって母親の乳首を捜し乳を飲んでいた。みるみるうちに真っ白な毛がはえ赤い小さな眼をした子うさぎは可愛かった。好奇心がおおせいになり、母親から少しずつ離れ違う食べ物を求めウロウロしだした。

ある日二羽の真っ黒なカラスが子うさぎを襲った、何回も子うさぎをくちばしで掴み地面に叩きつけ殺そうとしている。叩きつけられる度にキュウキュウと泣いている必死になって竹ぼうきをふりあげコラーコラーとカラスを追い払おうとするが、廊下にいる車椅子の老婆には手の届かない位置だった。これが唯一の抵抗だったがカラスには大声で泣き叫ぶ老婆の声は、眼中になく、ひるむこともなく我が子のために子うさぎを殺し持ち去った。

子うさぎの母親はオロオロするだけで何もしなかった。これが弱肉強食か、あんまりのショキングな場面で涙も出なかった。逆にそんなカラスの知恵に感心したのだ。つつき殺すのは、よく聞くが地面に叩きつけて殺すとは聞いたことがない。繁殖期にはよくある出来事であるらしい。それにしてもウグイスの鳴き声ですべての悪夢が去ったのが不思議だ。

「チヨット聞いてみるんだけど」ケアマネジャーはどこにいるの介護保険で、要介護1になったらヘルパーさんが来て家事、洗濯をしてくれるそうで隣りのお婆さんは病院に連れってもらい、昼ご飯も作ってもらいあとはご苦労さんと言っていた。私もそういう身分に早くなりたい。掛け金も払っていないので、はよう使かわにゃ損よ、よかったのう介護保険ができて、年金でまかなえるからええ制度よ、まさに不健康な体になることが美徳だとはネ、嫁に気をつかわなくてもいいし。親の面倒もみない嫁なんかいらんよ

しかし、そんなには甘くなかった、「時間がきたから帰ります。」サンマを焼いている途中にヘルパーが帰った、慌ててひっくりかえし焼いていたらスミになった。「あんな無責任なヘルパーがこの世に存在するのか」もうこんでもええわい

「何言っているの。私らは30分単位で仕事してるのヨ、交通費もろくにとれず、一日の生活費を稼がなくちゃ、以前のように世間話するどころじゃないのよ、文句言うなら自分で捜したら」

どこをみれば分かるかい、電話帳をめくってもどこにもヘルパーの字はないじゃあないか、一覧表もないじゃないかあ

ペットショップと載っているが、ここに電話すればえぇんか。
「馬鹿じゃないの」
わしゃあ体は不自由じゃがまだ頭はシッカリしとるわい

横文字を使わずに、わしらにはっきり分かるように、ここは魚やさん、ここは肉やさん、ここは米やさん、ここは八百屋さんとはっきりせんかい、あやしげなネオンをあげている店と同じじゃあないか、早く分かりやすいマップを作らんかい、せめて介護保険料を徴収するまでには頼むよ

動物の世界を参考にすればようわかるのにのう

象のずうたいはあんなに大きいのに草を食べ、小さなカラスが肉をたべる

弱肉強食から自然の調和が成り立っているのかのう

近頃の日本は喜怒哀楽がなくなったのう

電気が切れて一番困るのは先進国よのう

一律平等が世の中を悪くしているのかのう

体力の限界があるのを忘れているのかのう

昔よく恵みの雨と聞いたが、そんな自然に触れる言葉がなくなったのう

自然の厳しさを忘れ保障、保障と、みこしをかついでいるからのう

心を忘れたカナリヤよ

あとは神だのみかのう

これが福祉かね

”これでいいのかなぁ”

おかしなことよのう

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