” ☆☆介護保険に十四言☆☆”
久し振りにSさんが来た。Tさんは鬼の首を取ったように皆の前で、
ののしりはじめた。「なんで電話かけたのにすぐに受話器を切るの、いやだったら最初から
出なければいいのに意地悪じゃあないの。」しばらくしてSさんがぽっりぽっりと喋りはじめた。
「受話器が持てないの、ベルがなったら取り上げるのだけど重たくて落ちるの」
Sさんはリウマチで手が震え受話器の重ささえ持ち上げる力がなかったのだ「
なんとかして貴方の声が聞きたくて鳴るたんびにとったがすぐに落とし、又切れて今度はしっかり
持ち上げるぞと思って、一晩中待ったが、もう貴方からのベルの音は二度と鳴ることがなかった。」
「今日は体の調子がいいから来たの。」それを聞いたTさんは、号泣きした。
「そんな訳があるのを知らないでこめんネ」Tさんは健康な体なので、Sさんの状態がわからなかったのだ。
「チヨット聞いてみるんだけど」介護保険で、住宅改修20万円、福祉用具10万円、介護保険で使えます。とかいてあったんで、Sさんは早速く段差がある玄関を電動車椅子が通れるように、段差のないスロープに改修工事をした。できあがって30万円請求されたので、20万円保険を利用し残りの10万円は自分で支払った。 翌年、トイレに手すりをつけたので保険請求したら、「何言ってるの昨年保険使ったでしょ、もう一生使えないからネ」と言われた。「要介護度が三ランク上がれば別だけどネ。」 要介護3のSさんは要介護6にならなれけば使えない。これじやあ本当に一生使えないじゃあないか、金額でなくて最低な材質でもいいから現物給付がええ、自立ができるような生活環境を保険で造りたい。何年間も保険料を払っているのだから、なんとかして欲しい。 おかしなことよ一回しか使えんのは生命保険の死亡の時で、自動車保険では、何回も使えるのに、これではなんの為の保険か、保険とはいえないよ。 福祉用具給付で車椅子を購入しようとしたら、「そんなのはリースじゃあないと駄目です」と言われた。「いくらですか」と、聞くと「分かりません。」と言われた。「リース業者に聞いてください」と言われた。「ヘルパーの値段が決まっているのになぜ、業者の言いなりの値段なのか」と聞くと、「法律です」と言われた。難聴なので補聴器を購入したいのだが、「それはだめです。」と言われた。なにもかも希望するものは保険がきかなくて自費で購入せえとは、 それじやあ何の為の保険か 強制的に掛けさせ、あれも駄目これも駄目なら任意保険にするとか車と同じように自賠責保険に名前を変えたり、これだけしか購入できません。とはっきりするのに煩わしい福祉用具とか住宅改修などの単語を使わなければいいのに。 リウマチで腰が曲がらない不自由な体のSさんが1メートルの棒切れの先にフックを とりつけスリッパをそろえる姿・・・・色々工夫しているのに なんとかしてあげたい難聴視覚障害者は保険対象にならないものか 五感そろっている者に理解して欲しいと願うのは無理な話かもしれんのう。 それにしても値段の決まっていないものが保険対象になるとはのう 聞こえるようになれば、補聴器なんか安いもんよ。 自立するために必要と思われたら保険対象にして欲しい。 いいものがどんどん開発される時代に あれも駄目、これも駄目なら法律が成立するまで、待ってと言うなら 成立したときにはこの世にいないヨ 何のためにつくられた介護保険かのう あたかも半永久な介護を必要とする身分のようにレッテル貼って 福祉用具とは失礼な言葉よ保険金払っているのに 生活用具といって欲しいよ 必要なとき使えますような言い方して あるようでない制度、こんな制度あるもんかい これが福祉かね 2 おかしなことよのう <go/home>