”☆☆介護保険に九言☆☆”
調査依頼があり山の中腹にある、わらぶきの屋根の一軒家にいく。急な坂道なのでロープを頼りに登っていく。たどりついたところに白いニワトリが三羽と、少し足がふらついた茶色の犬が尾っぽをふり迎えてくれた。縁側には、朝日を全身に浴び手足をのばして、この世に敵が存在しないかのような寝相をしているぜいたくな猫がいた。93歳の老人が、家のなかのほうに招いてくれた。家の中は以外に綺麗に整頓されていた。奥のほうから、リウマチのせいか鷲の爪のようになっている手指で、不自由なかっこうで床を這って出てきた老婆は 「こんにちは」 と愛想よく挨拶してくれた。
ケアマネジャーは調査をおえ、なかむつましい老夫婦の姿を見て、後は審査結果を待つだけです。といって、坂道を降りたが大変怖かった。よくもこんな坂道を老夫婦は、長年行き来してきたもんだ。これも夫婦愛だとケアマネジャーは感心し、孤独な生き方にも微笑みのある生活に感激した。必ずまた絶対にいいケアプランをたて生きがいのある生活をさしてあげたいと、心にきざみ帰った。
それから3ヶ月して
要介護3の知らせがきた。訪問介護の複合型介護をとりいれ、朝11時に訪問して、昼食の準備をしてリウマチの老婆の食事介助をして、あと片付けで、2時間利用のケアプランをたてた。これでいかがでしょうか。
「これで温かい味噌汁とめしが食える」
老夫婦は喜び天使がきたようだ、手を合わせケアマネジャーの後ろ姿を拝みつづけた。
3ヶ月ぐらいして
一日おきだったプランが週一回の12時の食事介護だけになった。理由をきくと、介護保険制度の内容が、理解されたため利用者数が増えたためらしい。
みんな、昼12時に食べたいのヨ
ヘルパーの数が不足しているのヨ
あんただけの保険ではないのヨ
そういわれて、老夫婦は、この世は自分だけが生きているのではない。困っている人が沢山いるからと、なかば諦め指示に従った。しばらくして、夜間のオムツ交換もこなくなってきた、老婆の背中にじょくそうができ、なんとかして欲しいと訴えたが、
こんな不便な所で、しかも車の横づけできないところには、だれもきませんヨ
ヘルパーが足りないから、しょうがないじゃないの
なんど言ったらわかるの
”なに!!!誰もこないのなら!!もう払わんで”
それから保険料も税金も払わんで!!!!!
かってにしたら、保険料は年金から天引きされているくせに・・・
老夫婦は、保険料を強制的にとられ、しかもサービスがうけられない。のどかな高山に家を建てたため近所の人もおらず、相談する人もおらず、しずかに、息をひきとった。老夫婦が発見されたのは、ひにくにも
3ヶ月あとだった・・・・・
これが福祉かね
ヘルパーの数が不足・・・???なんのこと!!!! チャント確保してケアプランたてんと
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