”☆☆介護保険に十一言☆☆”
sさんは、恵比寿さんの顔にそっくりな愛嬌のある優しいおじいさん
であった。
ある日、野良仕事をしながらラジオを聞いていたら
「年寄りの医療行為は枯れ木に水をやるようなもんで税金の無駄使いよ。」
それを聞いた瞬間体中にトリ肌がたち「よし、わしは一生医者にかからんど」
その日から大好きなタバコをやめ、三合飲んでいた酒も一合にして健康管理に気をつけた。
しかし、長年の不摂生な生活はすぐに切り替えることか゛できなかった。
チョットしたことでも周りの家族に当たりちらかし腹をたて、
いさかいがたえなくなってきた。
気丈なsさんは、「それにしても枯れ木とはなんだ、
母国のためにいやな戦争場にいき、わが身を守るため
仕方なく人を撃ち殺した。隣にいた同僚は、お母さん万歳といって戦死した。こんな辛い思いをして
青春時代をすごした」
わしらには『春』はなかった。
やっと終戦になり配給制度もなくなり、 恩給を貰い 孫にお菓子を買ってやれる余裕ができ、 孫を抱き上げると「おじいちゃんありがとう」と、言ってくれるちいさな言葉に 心の余裕ができたが「枯れ木とは」と にくき言葉を思い出す度ごとに、sさんの顔がだんだんと人生に疲れきった顔に変わってきた。 そんな二世帯家族も社会の流れに逆らうことができなかった。 寒い朝、便所にいったとたん 脳梗塞でたおれたのだ。一週間入院して在宅ケアだからと言われて 自宅に帰ったものの、足の踏み場のない部屋にはベットをおくこともできず 仕方なく施設に一ヶ月お世話になることにする。
好きで倒れたのじゃないのですが、
なに言っているのヨ
本当はネ、一ヶ月前にケアプランたてるのヨ、
無理して施設にお願いしたのヨ
急なことだから現金払いですからネ、
チャンと支払ってくださいヨ約30万円
計画的に倒れることはできませんよ。
人のお世話になりたくないので自分なりに精一杯努力して
少し、臭いがするご飯もネギをいれ、おじやにして切り詰めて食べてきたのに
そんな大金はありませんよ
年金生活でせいぜい11000円しか、はらえませんが?
しょうがないでしょ、償還払い方式だから おかしなことよのう
計画的に介護計画できるようにせえとは
保険は困った時に利用するものだと思っていたのに これが福祉かね
いつまでも努力したい。
しかし、倒れたときは、頼ざるえない。もう少し生きたいから
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