”☆☆介護保険四十三言☆☆”

「柴犬」愛犬コロ二代目



柴犬




♪♪♪♪♪

「おーい、ばあさんや寂しいのう」
ワシの六月十日の誕生日には、ようけえ飛んどったホタルもおらんし
せんでもエエ河川改修工事で底をコンクリートにしたけえじゃろのう
子供も遠方に行ったしのう。子供は陸続きの所におるけえエエが
初代愛犬プードル・コロが高い天国に行ったけえのう
寂しいと思わんかい



おらんものクヨクヨ考えてもしょうがなかろうが
「可愛い子は旅にだせ」と曾じいちゃんがよう言いよったし
コロも最後まで痴呆の気配もなく日常生活も自立しとったし
ワシらの言うこともよう分かったし、満足して旅だったと思うがのう




♪♪♪♪♪

そりゃあそうじやがのう、ワシも一二本歯が抜けたような気がするし
ストレスで総入歯になるんじゃあないか、眼はうすく、耳は遠くなるし
そうなれば痴呆の三拍子がそろうけえのう
そうなる前に柴犬の子犬をこうてきたぜ
こいつはエエ番犬になるぞ日本犬じゃけえのう



何ゆうとるんねえワシに相談もせずにこうて、ただの雑種犬よ目を見てみい
どっちむいているかわからんじゃあないか、又騙されておるんじゃろう
血統証つきの犬と言うんなら証書を見せてみいやあ、なかろうが
騙されて高い買い物してアホたれが、まあ可愛い顔しておるけえ
まあエエか




西の空が真っ赤になった。おー夕焼けじゃのう明日はエエ天気になるぜ
下駄を宙に飛ばした。裏返しにならなかったやっぱり明日は晴れか
一人であぜ道を歩いていたら柴犬コロが尻尾をフリフリ ワシに付いてくるではないか
ばあさんが離したな、いらんことをようするよのう
自動車にはねられて死んだらどうするんない
躾もしていないのに



なにごちゃごちゃ言うとるねえ
じいさんや、ちいたあ外に出してやらんと強い犬に育たんぞ、外の世界を知らんと
根性のない、役だたないつまらん犬になるだけでえ
隣の犬を見てみいやぁ
飼い主によう似て誰かれなく泥棒まで尻尾を振って
腹がへったときだけ吠え顔までがばあさんによう似て
地震がおきた時のように顔がしわもぐれで、あたかも地滑りがおきた
ようにホッペタが垂れ下がり目だまがギョロリンとした
そんな犬になってもエエか




年をとれば顔にしわがよるのよ、ばあさんはよっぽど苦労したんだろうよ
ブルドックの顔は独特だからのうこれは生まれつき顔じゃけえ
ブルドックに失礼なことを言うなよ、ワシも恐ろしゆうてぇよう近ずけんがのう
まあ隣のことはどうでもエエが、コロがチョコチョコ出てくるので
タルキを20センチ間隔で横に打ちつけ1mの高さの垣根を作ってやった




しばらく垣根のお陰でコロが外に出なくなった
しかし、ある日ワシがエエ気分で飲んで帰ったとき、尻尾をフリフリ、出迎えるじゃあないか。
「なんでや高い柵を作ったのに」ばあさんが又出したな




ワシやあ知らんよ。動物はのう、ずうたいがおおきゆても頭が入れば
通り抜けることができるのよ
そんなことも知らんでよう垣根をつくることよ




よっしゃ、よう分かった今度は頭が入らないように10センチ間隔で
横棒のタルキを打った。
コロは首をかしげ不思議そうに垣根の補強を見ていた
しばらくしてワシの目の前で階段を上がるように
柵をよじ登って外に出た
「なんじゃ、この犬は」ワシは自分の眼を疑った
この調子じや10メートルの柵の高さにしてもよじ登って外にでるでえ




忍者が城に忍びこまれないようにするように忍び返しをつけんさい
ちぃたぁ頭をつかいんさい、生きとるうちに頭をつかわにゃ
人生、だいぶん損をするぞ、じいさん、柵の作り方を教えてやるよ
足のかかりがなかったら自分の背丈ぐらいの高さしか飛びこれんけえ
横棒でなく縦にタルキを打ちんさいそうしたらエエけえ




さすがばあさんが言ったとおりにしたら二度と出ることはなかった
真夏の太陽が照りつける日が何日も続き日陰にいても
熱中症にかかる人が多いのに
口癖のように「たった一回しか生まれてこんのに釣りにいかにゃワシの人生が損をする」と 言うじいさんは汗ひとつもかかない不思議な体質の持ち主だ
そんな照りつく日に、釣り馬鹿のじいさんが釣りに行ったらカワハギが釣れた




おーいばあさんや今日は煮つけしてくれや
こりゃあうまいカワハギの肝がいちばんよ
ビール一本が二本、調子にのって飲んどるうちに
ばあさんが隣の部屋に料理番組を見に行った。
それを察したコロが
ワシにもくれやと「クンクン」と訴えるのでこっそりとガラス戸を開け
少し身のついた骨と汁をやった。
コロはバリバリと骨を噛み砕き汁をペッチャペチャとなめまくり
見ると軟骨らしきものだけ残し洗ったような皿に変わった
身をやらんかったから骨まで食べたのか、可哀そうにのう
今度つれたら身のついたのをやるからのう
「今日のじいさんは珍しくきれいに食べたネ」と言いながら
ばあさんは皿をさげた




次の日曜日は、瀬戸貝の撒き餌がきいたのか大量にカワハギがつれた
いつものようにワシがビールを飲んでいるとき九時になると
ばあさんが料理番組を見にいく。待っていましたと言わんばかりに
外で、ワシにもくれやとせがむので、情けをかけて少し身をつけてやった
軟骨らしきものだけ残し骨は噛み砕いて食べていた
「身がすくなかったんかいのう」
来週は身を半分つけてやるけえのう
今日は勘弁してや。こんな習慣が1年間続いた。




朝晩過ごしやすい季節になった。
もうすぐ祭りじゃのう吹き火を楽しみにしているじいさんとコロが
山道を散歩していたら
知らん顔して山から下りてくる隣のじいさんにおうた
コロが値段の高い松茸の臭いをかいだのか、じいさんに近づいた
しかし、手の届くぐらいは近づくがそれ以上寄らなかった。




ばあさんがゴミを捨てに行くと必ず尻尾をふって挨拶にくるはずのコロが
水をガバガバ飲んでばかりで近かろうとせず黄色のションベンをしている
じいさんにも近づかんようになった
「近頃おかしいぞ」じいさんなんか悪いものでもやったんとちがうか




わしゃ何もしらんでぇ
毎週釣ってきたばあさんが味つけたカワハギと汁をやっているがのう
まあ喜んで食べておるし、うまいものを食べておるけえ
ええんじやないか




コロが熟年を迎えた夏頃、ワシはカープは負けるし
おまけに蒸し暑く生き苦しいので夜コロと散歩の帰りに
外灯のしたで暇つぶしにコロの背中を触ってみるとダニがおった。
おーうここにもおるぞ、こっちにもおるぞ
勝手に出ていくけえ猪のダニでももろうたんじゃろうが
可哀相にのう、痒かったろう、ていねいに一匹づつとり潰したが
ダニの歯だけが身に刺さり残ったのか痒そうに後ろ足で体中をかいていた




今日も釣りは大量であった。
今日は一匹やるぞ。汁もたっぷりあるからうまいぞ。
いつものように喜んで食べた。しかし
あいかわらず大量の水をがぶがぶ飲んでいる。
じいさんは「コロが異常行動しとるのはダニやノミの外敵じゃあないぞ」
不安を感じはじめた。




つづく


しょせん私の独りごとよ



かまずみ




2004年9月22日の日本経済新聞に「介護保険対象年齢引き下げ」と掲載された
がどう言うことや、よう分からんけえワシでもわかるように説明してくれや


利用者の急増で現状の40才以上の保険料の徴収じやあ
大幅な負担増になるけえ今度は20才以上から徴収するのよ

親に扶養されている学生やフリーターなどは払おうと思っても、払う銭がないが
どうするんやあ


知らんよ、若年層の保険料負担の軽減策も検討するらしいが企業が保険料の
2分の一を支払うことになり経済界も慎重な態度をとっとるらしいがのう

最初に言うたが要支援や要介護1の人は介護保険制度からはみ出すのか
本当なのか


まだ決まったわけじゃあないが、要支援や要介護1の人はデイサービスやデイケア
を利用できんようになるらしいがのう
そのかわり介護予防として筋肉トレーニングなど新しい予防給付策を考えとるらしいが
せっかく閉じこもり老人がデイサービスやデイケアを利用して

★やっと、おしゃべり友達もできたのにのう""""""""'''''''
★やっと、日曜祭日がわかるようになったのに
★やっと、風呂にはいり裸の付き合いで本心から話せる仲間ができたのに
★やっと、化粧するようになったのに
★やっと、足腰の動きがよくなったと褒められたのに
★やっと、姑と嫁とのいざこざがなくなったのに
★やっと、社会復帰できたと思ったらこの有様よ

いままで脳血管疾患など十五の疾病しか認定されなかった40才ー64才の
給付制限を撤廃し年齢に関係なく介護が必要な人がサービスを受けられるようにする
と聞いたが本当か


そうよ、加齢が原因で介護を必要とする介護保険の趣旨を根底から覆すことにしたんよ
身障者も対象に含む狙いはがあるのじゃあないかのう

身障者関係者は一緒にされたらサービスの低下になると反対しとるし、
よう国民の声も聞かず制度を変えるのう。
三年ごとに見直し保険料を高く徴収するとはおかしんじゃないか


知らんよワシが決めるわけでもないし、利用者が増えたんじゃろうよ
まだ元気なのに、やっきになって利用者の掘り起こしをしたんだろうよ
民間会社は利益がともなければ生き残れんけえのう。
だいたい福祉や医療現場に民間企業を参入させたのが間違いよ
利益を追求する企業と困った人の手助けが宿命の福祉との考え方の相違よ
まだ質問があるか

介護施設で個室は部屋代をとると聞いていたが今度は共同部屋も部屋代とると聞いたが
本当か


本当よ個室の部屋代が五万円ぐらいだから四人部屋では一万五千円ぐらい
になるのとちがうか、
制度見直しは光熱費など住まいに関する費用居住費を介護保険の給付対象
から外し、入所者の負担を増やすことで介護保険の給付を抑えせ、
施設より費用がかからない自宅での介護に移行を促す考えだろうよ

ようわからんが、今から先の介護保険制度はどうなるんかいのう
ころころ変化してもろうたら今後の老後の生計がたたんがのう
よう教えてくれや


要は、いつまでも元気で痴呆にならんことよ。次のことを守れば
エエのよ。人が作った計画はなんにもならんで、ワシのプランを見てみい

◎☆飲みたい時は人にあれこれ言われず飲み
◎☆釣りたい時は台風をさけ釣りに行き
◎☆打ちたい時は囲碁や将棋をすればエエ
◎☆食べたい時は時間に束縛されず食べ

そうすれば他人の厄介ものにならずいつまでも手足が動くので
自由に何処でも行けるしのう。
オマケに死ぬまで働くことよ、体もじゃが特に脳よ
脳を使うことがボケ防止よ。幼いコロの唱歌を想いだしてみいやあ
簡単じゃろうが

屁理屈はエエけえ、これからどうなるのかを説明してくれや


今の計画は要介護認定を受ける前から、転倒予防のトレーニングや
パソコン利用でのボケ防止、食事指導による健康維持をはかり
要支援・要介護一といった軽度者では予防サービスが中心になり
家事援助などの利用はできなくなるらしいよ

それじゃあ要支援・要介護一に介護認定された者はどうなるんかいのう


介護保険料はあがっても要支援・要介護一の要介護者がサービスが使えんようになるよ
知らんよ、ワシが決めるわけでもないし
なんか、介護予防プランとか自立支援プランとかがあるらしいがのう

お前のプランのほうがエエのう。飲んで釣りに行って唱歌を歌って
お前エライのう
話はかわるが今度は介護福祉施設に入所したら
なんぼういるんか、一覧表で教えてくれや


時間があったらの

らっきょ     まゆみ


今年の台風はどうなっとるのかいのう
日本上陸が十個目とはオリンピックじゃあないが日本新記録じゃそうなのう
それにしても台風23号凄かったのう
次々くる台風で
地盤の含水率が飽和状態になり、大雨が降れば川の水位も高くなり
堤防の決壊が起きてもおかしくない状況だったろうにのう
警戒水位があろうにのう

京都の舞いずるのバスの浸水被害は凄いのう、
バスの運転手や乗客の発想が素晴らしかったのう
下から押し上げてやらんとバスの天井に這い登ることができんじゃろうし
全員(37名)がよう這いあがりよう非難したのう

一安心したものの、濁流の水位が膝まであがりそして見る見るうちに
ヘソまであがったらしいのう
上がっている足元のバスの姿が見えなくなり、
見渡す限り濁流の真中にぽっんと放り投げられ
いつ滑ってもおかしくないツルツルした手摺もないバスの天井で
必至になって「足を滑らしたら最後」と皆が団結して
ロープを掴んどったらしいのう

こんな状態になる前にバスのカーテンを引きちぎって紐ロープを作っり
それに窓枠に結び命綱を張っていたとは、
機転をきかし作ったロープが命綱になり垣根に変化し
又みんなを勇気付ける手綱になるとはすごいのう

ヘソまで濁流につかった時、水流は速かったじゃろうし強風もあったろうし
寒かったろし、低体温に陥ったときは恐怖と死を覚悟したと思うが
又違った天使があらわれるとは凄いのう
看護師がみんなで歌を歌って、手をつなぎあって体を動かすように指導して
みんなで励ましあって寒むい状態から体温の低下を防ぐなど凄いのう

今のワシには真似もできんし
ワシら凡人にはそんな発想も浮かばんよ。
ワシら若い者はワラをなうて縄もつくれんしのう
ワシなら流れにそって泳いで逃げるがのう。
それにしても救助を求められて九時間も放置するとはのう
数秒間のできごとで全員助けた発想の持ち主と
責任のがれのために印鑑を求める姿が目に浮かぶのう

ちゃんとせんかい。竹をきってイカダを作ったり
今のタタミならハッポウスチロールだから浮くじゃろうがのう
洪水がおきそうな地域は前もって分かっておるはずじゃけえ
万一の場合は即席ボートに変化する浮くタタミができればエエのにのう



∵∵∵∵∵∵「オレオレ詐欺」が大流行じゃのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵なんでひっかかるか信じられないよ∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵親の子を思う気持ちや、孫をかわいがる気持ちを利用するらしいのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵切羽詰まったような声をだして「金が必要になった」∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵すぐに振りこんでくれと銀行の閉店まぎわに掛けるそうなのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵最近は、手がこんで警察官や弁護士、保険会社を名乗っているらしいのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵これをなりすまし詐欺と言うらしがのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵くわばら、くわばら、うちのばあちゃんに、よう言うとかにゃのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵ワシが金を借りるときは印鑑証明と実印をもっていくけぇ∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵ようばあちゃんがいいよった∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵生きとるうちに人の役にたちたい∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵年をとっても弱い高齢者の手足となって、働き∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵年金を十分もらい社会のために生きたいものよ∵∵∵∵∵∵

 人の心の痛みや苦痛を感じるぐらいにならないと成長せんよ      

おかしなことよのう

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