”☆☆介護保険に三十三言☆☆”

戦後7年目頃の話じゃがのう
小指でつぶせるようなダニ・シラミ・ノミが目くそより小さいくせに
この三悪が人間の体中を支配し天下をとっていたヨ


一匹目の悪は茶色でエラソウに鎧をつけたような格好をして
背中が痒いと思ったら
腹が痒くなり今度は足が痒くなる一体どこにおるのか
牛若丸みたいに素早く飛んだり跳ねたりする
ヨシ見つけたぞ
着陸と同時に手で抑える潰してみるが
手を上げたとたんヤッホー又飛んで逃げる、人をこばかにしゃがって
クソー今度こそ捕まえてやるヤット両手で押え
力をいれて、つぶすがまた逃げた
馬鹿じゃのうノミ は爪と爪の間にはさみ
ピチッと音がするまで潰さんと死なんのよ

白い色をして団体でしかも整列してゾロゾロ歩く習性がある
知らんあいだに気持ちの悪い虫が頭を這っている
ええい頭が痒いどうにかならんのかいのう
それは二匹目の悪でシラミよ、
風呂に入っていない不潔者が大好きで髪の毛に住処をつくるのよ
つまんでつぶしたらプッシュと音をたてすぐ死ぬがのう
繁殖率が旺盛でつぶしても、つぶしてもようけいおるけえ
まにあわないのよ
小学校の朝礼で前の生徒の頭の毛をかきわけて
シラミを取らされたもんよ


遊び疲れて風呂にも入らずフトンにもぐりこんだら
「おおーかゆい」かゆいやら痛いやら体中かきまわし血だらけになった体の
血がシーツにつき洗濯物がまた増えた、よう怒られたもんよ
おかしいのうノミもシラミも退治したのに何や
フトンをめくり、よーく見ると
何本あるか分からない足で灰色の小さい気味の悪い虫がいる

それは三匹目の悪でダニ
これまたシラミよりチョット大きな体じゃが大きな人間に対抗してくる
「じいちゃん変な虫をやっつけてよ」
ダニはやっかいもので体に進入されたら大変じゃ
「まかしんさいワシが殺してやるけぇ」
じいちゃんはピンセットを持って必死にさがすが白内障のじいちゃんには
何もみえなく手におえなかった

害虫の三悪を毎日四、五匹づつ退治するが、
なんせ次から次に卵を産み続け
体中三悪の住処になり勉強どころじゃないよ
丸い平べったい缶を
朝礼で前の子供にふりかけたら白い粉がでて
シラミがのこのこ出てきた
服に降りかけたらそでからノミがとんできた
家に帰ってフトンにかけたらダニもゾロゾロできた


そんなとき今では信じれないできごとがおこった
ゴーゴーと大きな音をさせ白い粉を町中に撒き散らしながら
拡声器で怒鳴っている「これで三悪がいなくりますよ」窓を開けてください
窓を開けたら白い粉が飛びこんで「ワー臭い、息苦しい」
信じられない生きた人間がいるのに
まいてる人は猛毒ガスよけの装置をつけている
ワシらにはおかまいなしよ
今の外務省によう似取るのう、身勝手なところが

それ以来三悪は、しばらくして全滅した
白い粉は人体に害のあるDDTだった
まあ人体に悪い薬だったが死ぬものはおらんかったがのう
三悪は死んだが今度はゴキブリ・ネズミが大繁盛

続き

なんのことかいつもブツブツ言っているが
ワシにはサッパリわからんが
よう説明してみいやぁ


またまた事件よ、七階建ての介護総合ビルのことよ
「介護は心じゃが、まだ分からんのよ」貧乏しても健康な体が一番じゃ
なんで分からんのか信じれないよ

介護総合ビルとはどんなビルや


本日介護施設にご来店有難うございます
エレべーターの案内係りの「さくらです」よろしくお願いします
屋上から案内させていただきます。日本三景のひとつ宮島が見える屋上ですが
拝観料は全員無料にさせていただいています

下にまいります。七階は有料老人ホームでこざいます。
介護付終身利用権型で入居一時金2000万円お預かりします
月額の費用は15万円必要です

下にまいります。六階でございます。ここはケアハウスでございます
一時金は少し安くなりますが250万円程度お預かりします
生活費及び事務費を平均で10万円程度いただきます。光熱費は別途料金です

下にまいります。五階でございますここは特定施設入所者生活介護でございます
すこし安い敷金が必要ですがケアハウスに似てます
介護保険の適応施設の届けが必要があります

下にまいります。四階でございます。ここはグループホームです
痴呆の方がご利用いただけます。すこし割高になっています
又の名前はを痴呆対応型共同生活介護ともいいます
一ヶ月24万程度の費用がかかりますが介護保険適用ですから
一割負担していただきます。2万4千となります
そのほか光熱費・理美容代・オムツ代は負担していただきます
勿論食材費はいただきます

下にまいります。三階でございます。介護保険施設でございます
指定介護療養施設・介護老人保健施設・指定介護老人福祉施設の
三つの施設でございます
医学的管理・リハビリや看護・常時介護を必要とする。三つのタイプにわかれ
いずれも介護保険の適用で一割負担が必要で食材費はいただきます

下にまいります。二階でございます
ご覧になった施設の詳しい内容や費用についてはコーヒーをめしあがりながら
親切・丁寧にご説明していただく広場でございます
コーヒー代は無料にさせていただいております

下にまいります。一階でございます居宅サービス事業所のかたまりです
費用はいりませんが「ここだけの話でございますが」
調子のいい説明を言う事業所は避けるたほうが無難だと思います

在宅ケアを中心につくられた介護保険制度なのに、
こんなビルが今からじゃんじゃん竹の子のように出来て
営利企業が参加しているが大丈夫か


知らんよ優しいおもいやりのある介護福祉施設はすくのうなるじゃろうよ
上から下まで似たような施設よ
いっそのこと銀行みたいに合併したらえかろうにのう
利用者はどこを利用しても一律金額だから悩まんでもすむけぇのう
そうよ「介護は心」が゛わからんのよ、しかし思いやりのある人がまだおったぞ
新聞にも載っていたが夫が生きていると思いこみ
毎日ご飯とおかずをつくり続けた記事よ、感激したよ

どうしたん今日も食べんかったん!酒の飲みすぎよ
今日も食べんの!食べんと体に悪いよ
今日も食べんの!肉が嫌いなのよネ
今日も食べんの!きょうはすきなメバルよ
今日も食べんの!きょうはあんたの好きなトロよ
今日も食べんの!きょうはめでたいときたべるタイよ
今日も食べんの!きょうはあんたの大好物のツクシよ

ばあちゃん、じいちゃんは死んでるよ

なんで死んでいるのがわからんのやぁ


心のなかにいつまでも生きているのよ、「信じられない出来事で」素晴らしい
国は40歳から強制的に社会保険料から、介護保険料をひき
ないないづくしのボケた者からでも年金から強制に保険料をとりたてながら

介護認定は申請主義で「ボケたものが申請できるわけがない」誰にもわかることよ
「知らぬが仏よ」で済まされるのが今の世の中よ

現実はそうもいかんよ、ワシも、
ボケ老人と同じように死んだ妻にいつまでも食事を作って食べさせてやりたい
永遠にのう、こころのなかにはチャント妻が生きとるけぇ
料理ができんようになったら一緒に死ぬのよ


ようじいちゃんが言いよった
広島の町は山あり川あり海まであるのに
これだけのいい自然条件がそろいながら
いつまでたっても発展せん町よのう
学力は全国でビリから二番目
周りを見ると大手企業は遠くに飛んで行き
広島市民球場はいつもカンコウどりがないている

自然にできた三角州で上流から海岸までほとんど高低差のない川を
利用せん馬鹿は見たことないよ
河口をせき止める水門をつくり湖みたいな施設をつくらんかい
なんのために高い税金を使って土手を作ったのか
昔は洪水対策だけに作られた土手じゃろうがもっと有効に使わんかい
洪水がおきたのはワシが小学校のときだけて゛
水害は100年に一回きりよ、川を有効につかわにゃあ損よ

川が遊園地に早変わりし
上流からは山の幸のマッタケ舟、下流からは海の幸のメバル
湖に変化した川にアベックのボートも浮かび水上タクシーも安心して走り
ほのぼのした遊覧船のなかで名産のカキ鍋でキリンビールを一杯飲みながら
対岸に走るマツダのキャロルとベンツの競争を見られたら

夢のある広島になるがのう

川をあそばす馬鹿はおらんよ

ようじいちゃんが言いよった
生きとるときに頭を使えと
死んで花みが咲くもんかい、だれからも好かれる人間に
ならにや人生は損をするけぇ

シーズー犬と散歩していたらウグイスが鳴いたヨ「もうすぐ春じゃのう」

♪♪♪♪♪♪♪♪さくらさくら野山も里も♪♪♪♪♪♪♪♪

♪♪♪♪♪♪♪♪見渡すかぎり♪♪♪♪♪♪♪♪

♪♪♪♪♪♪♪♪かすみか雲か朝日ににおう♪♪♪♪♪♪♪♪

♪♪♪♪♪♪♪♪さくらさくら花ざかり♪♪♪♪♪♪♪♪

〜〜〜〜〜思い出すのう、大人は桜の花が咲いているとき花見をして〜〜〜〜〜

〜〜〜ワシら子どもはいつも花びらが散って葉ばっかりの桜の木の下で〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜おふくろの手弁当を食べたがのう〜〜〜〜〜


〜〜〜〜〜大人の花見はゴザを敷き詰めて〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜一升瓶をかかえて飲めん酒を「さあイッキのみ」〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜イッキイッキの声援に騙され気力の塊で〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜この機会をのがしたら2年間は飲めんけぇのう〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜花見と正月しか酒が飲めんけえ頑張らにやきゃあ〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜一年ぶんのご馳走を目の前にしてカブ飲みをしたら〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜チンドン屋がチンチンと鐘をたたき始めた〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜そのうち男女二人が立ちあがり、野球けんゲームを始めた〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜ジャンケンし負けたら一枚服を脱ぎだした〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜チンドン屋が今度は笛をピイヒャラと吹きだした〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜泣きじょうごの女性が泣きだしたとたん〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜チンドン屋が太鼓をたたきだしたら、二人の感情がたかぶり〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜二人がなぐりあいになった、笑いじょうごの男が鼻血をだした〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜チンドン屋は笛・鐘・太鼓をならし傘を回しはじめた〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜周りの者がいっせいに立ちあがりみんなで踊りだした〜〜〜〜〜

〜〜〜ケンカをした二人は寄っていびきをかいて土の上で寝ていた〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜「さあみなさん、明日から気分一新して仕事をしょう」とじいさんが言った〜〜〜

〜〜〜〜〜次の日、二人とも昨日の出来事はなにも覚えていなかった〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜仲良く仕事していた〜〜〜〜〜

デフレデフレいつまで枯れ木
枯れ木にいっきに花を咲かせたじいさんが昔いたが
色々な政策を投げうっているが、なかなか芽が出んのう
蒔いた種が悪かったのよ。減反減反と土地を殺し
今度は輪をかけてペイオフで預かったお金は返さんし
おまけに教育現場が週休二日制になるらしいが狂うとるよ
生活意欲を奪う政策はおかしいよ
「一週間に十日来い」が昔の常識だったがのう

田んぼがなくなる前はほどよく川の水は流れ、社会も落ち着いていたが
なくなって以来雨が降れば鉄砲水、降らなければ渇水になり
ハヤやフナの行き場がなくなっとるのに性懲りもなくアユの放流しとるが
コケのはえない川にアユを何万匹の稚魚を放流しても育つもんかい
人間社会も職場が消え、生き残った会社ならリストラ
時間をもてあましては少年犯罪の温床づくり

猫も杓子も福祉に参加できるようにし
今はやりの外国産を国内産と言ったり、賞味期限が切れていても
平気で張り替えする世の中になったが

自然を奪うと人間の心も凶悪なるよ
しかし福祉の心のラベルだけは張り替えがきかんけえのう
ようじいちゃんが言いよった

〜〜〜〜〜景気のエエ歌を歌わんかい〜〜〜〜〜

おかしなことよのう

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