”☆☆介護保険三十九言☆☆”

じいさん近頃頭がおかしいよ、
何しに来たのか分からんようになっているし同じことを何回も言ったりするし、
朝の挨拶もできんしおまけに用事もないのに行ったり来たりしてほんまにおかしいよ
ボケがはじまったのじゃあないか
ちいたぁ脳を使うか体を動かさにゃあ、最近よく聞く痴呆性老人になったんじゃあないの

いらんことよ行ったり来たりするのは小さいときからの性分よ徘徊じゃあないわい
じいっとしとるのもどうしたらエエのか考えておるのよ仕事をしょうと思っても
うちには土地もないし体を動かしようがなかろうがぁ

「おーい、じいさんの為に山を買ったけえのう、雑木が茂って石の多い山じゃけえ
仕事のやりがいがあるぞ、ササを切ったりカシの木を切ったりして毎日が忙しいぞう」

じいさんは早速夜明け前から山に行き鎌で草を刈ったり木を切ったりしたが
直径五センチの木を切るのがやっとでいっこうにはかどらなかった
「じいさんこの年じゃあ開墾なんかだいそれたことはできんよ、専門家にまかしんさい」
「そんな金があればとっくに頼んどるわい、つまらんことを言うな」強気のじいさんだが
三日後には以前傷めていた腰が痛くなりうす布団に寝ついてしまった
とうとう専門家に伐採を頼んだもんの「木を伐採して大きい根っ子だけ取ってくれ
後ワシがササ枯らしでササを枯らすけえ、工事費がたこうなるのはやれんけえのう」
相変わらずじいさんはケチぶりを発揮した

握りこぶしぐらいの大きさの石がたくさん出てきた
石の処分代を請求されたので「裾に置いとってくれ」
じいさんは通路に石積みをすることにし、土地は傾斜のままにすることにした

ばあさんは言った「傾斜の土地より平らな土地のほうが農作業が楽じゃけぇ
開墾のとき出てきた猫の額ぐらいの大きさの石でも捨てずに石積みのたしにし
土地が平らになったら又開墾をし、出てきた石で石積みをし、
土地が平らになったら又開墾し気がついたら段々畑になっとるのよ
有りがたいことよ」

「ばあさんの言うことを聞いていたら何年たっても畑はつくれんぞ
傾斜のままでエエ、少々石があってもエエそれより
ボケ防止や長生きすると言われている苗木を早う買うて植えにゃあ」

和歌山から苗木が届いた。早速じいさんとばあさんは苗木を植えた
「ばあさんは植えるのが遅いのう、ワシをみてみいやばあさんの五倍は植えたぜ
しょうがないのうばあさんはくそ真面目じゃけえ」
夏頃にじいさんが植えた天台烏薬の苗が枯れそうになった。
「なるほど土壌が粘土質で水が浸透しないから乾燥し苗も弱ってくるのじゃ」
じいさんはわざわざ島根県からワラをもらい苗の根元に敷いたが苗はしおれていくばかりだ
「おかしな話じゃのうこれで駄目ならじかに水をやらにゃあ」
じいさんは必死になって水をまいたたが「ジョロではなまぬるい
井戸を掘りスプリンクラーを設置し水を大量かけにゃあ」たが、じいさんの苗だけ枯れた
「なんでばあさんの苗は生き生きしとるんかのう、何もしていないのに」

ばあさんは不思議になりじいさんが植えた枯れた苗を掘ってみたら
なんと根が上を向いているじゃあないか、そしてその下を掘ると石があるじゃあないか
「これじゃあ何やっても枯れるよ、石を取りもう少し広く深く耕し植えればエエのに」

「そう言うなよ、イガイガのカシワの根っこはササとおなじように広く根をはり
どこまでも株を増やしているので完全に取り除こうと思ったら、ここもあり、あそこもありで
無限に続く根っこを見たら力つき果てて体力の限界がきたのよ」
「そりゃあよう分かるが農業は一気にできんのよ、種をまいてもすぐに実らんのよ、
根を上にむけて植える馬鹿はいないよ」ばあさんはあきれてものも言わなくなった
まてよ「時が解決する、時が経ったらなんでも完成する」この言葉を信じてきた
ばあさんは「いままで一緒に苦労した甲斐がない、これから先短い人生じいさんと
仲良く暮さにゃあ」

仕方なく枯れた苗200本分を再び取り寄せて、近くの畑に苗を植えるように
じいさんに言った
「今度の苗は失敗は許されんぞ堆肥が十分あり排水のいい土壌に仮植えして来年まで待って
苗が落ち着いたら植え替えようネ」
送られてきた苗は根が乾燥しないように根っこの部分には新聞紙に
丁寧に水までしみこませて土までついていた。

「ばあさん今度は失敗せんかったよ、苗に土がついていたのできれいにふるい落とし
丁寧に一本ずつ一メートル間隔で植えたけえのう」

「まあなんでぇ、根が乾かないようにわざわざ土をつけ新聞紙まで巻いて送ってきたのに
なんのために土と一緒に送ってきたのか分からんのかのう
まったくじいさんは知識がないのじゃけえ」
「まあ済んだことはしょうがない苗はまだ生きとるけえ」
ばあさんは苗を一箇所に集め植え替えた
夏になり仮植えした苗の周りに草がはえたので、草に養分をとられないように
また日光があたるように草を刈って欲しいとじいさんに頼んだ

「人使いの荒いばあさんじゃのう、よっしゃ簡単なことよ」素早く立ち上がり
じいさんが草刈り機で苗のしゅろを刈った
「ばあさん綺麗に刈ったろう二度と失敗はせんよけえのう」
早速ばあさんは畑に行って驚いた
「苗はどこに行ったの」見渡すかぎり雑草と苗のかげはなくなっていた
じいさんは草と苗を一緒に刈ってしまったのだ「なんでいっしょに刈ったんネ」
「苗と草が同じ緑色で同じ色をしとるけえよう」じいさんは言い訳を言っている

「エエ年をしとるくせに気取ってサングラスをかけて刈るけえよ。
このオオ馬鹿たれが」
「せっかく苗が落ち着いたと思ったらこのざまじゃけえのう、土があってよかったよ
根まで刈れなくて、まだ土の中の苗は生きとるから」
ばあさんは土地に両手をあわせ感謝した
あわれな姿に変わった根っこに水をかけながら
「じいさんは何回失敗したら気がすむんかいのう」
「失敗じゃない悪きがあってするんじゃないけえ年がするのじゃけえ」

ばあさんが丹精こめた苗も段々と大きくなって新芽がでてきても不思議にシカや
猪の被害にあうことはなかった。シカも「これ以上ボケが進んだら老夫婦だけの
生活ができなくなる」「新芽を摘んでお茶にして早くじいさんに飲ませにゃあ」
動物ながら気をつこうたんだろう
ばあさんが新芽を摘みはじめた、その真似をしてじいさんも茶摘みに励んだためか
手指の運動で脳の刺激が活発になりまた、坂道のお陰で下肢の筋肉の強化につながり
じいさんはボケが治ったようで、腰の痛みも訴えることもなくなった

二人で収穫した天台烏茶を冷やして飲んだりしていたらいつのまにか
「病を知らず医者いらずの生活が続き」
天台烏茶畑のお陰で二人とも笑顔を絶やすことはなかった

しかも秋になってドングリとクリの食べ過ぎで胃が焼けている猪が
天台烏茶畑のミミズを捕るために土を掘りおこし畑を荒らしたが
不思議に天台烏茶のどんな小さな苗でも踏み荒らすことはなかった

機械もつかわず汗を流す人力で作った米はうまいよ
田植えのときは親戚などおおぜいがあつまり一斗の米をたき
ウメボシが入ったムスビをつくりみんなで食べたらうまいもんよ
それにくらべ一人でカップラーメンを食べながら機械に乗ってつくる
田植えは楽じゃが仲間もおらんけえ寂しいもんよ
苦労しても銭はたまらんが汗は心の財産となり心を癒してくれるよ
心の傷は物ではなおらんがのう、孫の笑顔で治るもんよ、
ようじいちゃんが言いよった

みぞそば    



あんたの「介護保険の制度ありかた」ばっかりでおもしろないのう
エエ話はないんかい、お前の不満もわかるが利用者の不満はないのか

ようけぇあるよ、その一部を紹介するよ、それもへたな解説つきでのう
まず最初にケアプランに関する苦情よ

  

通院のため、介護タクシーを利用し、往復で6,000~8,000円かかっている。 同じ病院に通院している人が、訪問介護事業所の車で送迎してもらって、一回の 負担が300円とのこと。区によって、制度の利用に違いがあるのはおかしい。 しょうがないよ、介護保険制度はおおまかなことは国がきめ詳細については市町村 が決めるけえのう保険料も来年から12%ぐらい上がるらしいのう、医療改革制度も 年寄りには負担がおおくなるらしいよ次は短期入所生活介護に関する苦情じゃが

寝たきりの母の介護者が体調を崩し、母を預かってくれる所を探したが、 ショートステイの空きは少ないし、鼻腔栄養に対応できない施設もあり、 大変であった。特に最近では、3ヶ月前にどこの施設もいっぱいになっている。 急な場合はどうしたらよいか。 どうしょうもなかろうてい、今年からユニットケアだと言って全部個室になる 制度をつくったから少数定員施設が増えるじゃろうが、これからは超高齢化社会 に突入して高齢者が多くなるのに施設の数が不足するのもあたりまえよ、 誰のために個室を考えたのかわからんよ。子供の個室化で失敗しとるのが分からんよ、 年寄りは孤独が嫌いよそれでなくてもいつも寂しいおもいをしとるのに隣のばあさん の悪口が楽しみなのよそれも聞き手がいるからエエのに個室とはのう、 次は同じようなことで満床についての不満よ

介護者が緊急入院した為、要介護者を受け入れる 短期入所施設を探しているが、空いている施設を渡り歩くようになった。 しょうがないよ、よう調査してみたら以前から利用している人が優先されとる けえのう自宅で我慢していた人が緊急に必要となってもベットの空きがないと 言われるよ。次も同じような苦情よ

今まで2回利用したことのある短期入所を、4日間利用したいと 申し込んだが、いっぱいということで断られた。慣れた施設を使いたいので、 施設が常に短期入所用のベッドを空けておくよう行政が指導すべきである。 そりゃあそうじゃ、行政もベットの一割は空けとくような指導しているが、 よう考えてみいゃあ消費税が10%になったら怒ろうがあ、職員配置で常に 100%の人員を確保しなければいけないし人件費もでないような始末 じゃけえ施設経営も厳しいのよ、次は福祉用具貸与に関する苦情じゃがのう

貸与されたベッドのマットに血液のしみがあり、洗浄、消毒された様子も 無いため自費にて消毒し使用している。ケアマネを通じ貸与事業者に問い合わ せたところ「搬送業者に任せているので分からない」とのことであった。用具 の消毒は利用者が行うのか、そうだとすれば利用者に負担がかからないよう改 善できないか。貸与事業者を変更することは可能か。 もっともな話よのう、貸与事業者を変えればエエのよ、ほんじゃが貸与事業者 の一覧表もないしケアマネがプランたてるとき二、三の業者から選択できるよ うにせんけぇのう。住宅改修も特定業者になって大変らしいでえ、本当の見積 もりを出し合って行動せんと後々問題が起きるのも不思議じゃあないよ。次は 指定介護老人福祉施設に関する苦情じゃが信じれんよ

入所中の夫を見舞いに行ったとき、おやつの時間で職員がテーブルの向かい 側から、饅頭を転がしてくばっていた。本人の目の前に置くか、手渡すのが普 通ではないか。心無いお使いはしてほしくない。とても悲しくなった。 そりゃあそうじゃ、色々な人が携わってくるようになったけえのう利益追求す るあまりこのような事件がおこるのよ、常識がないのに肩身が狭くなるのう 福祉の専門家が少なくなってきた証拠よおそらく善悪の区別ができない職員 だろうよ可哀相にのう。次は訪問介護に関する苦情じゃが

契約した事業所では年末年始のヘルパー派遣は困難と聞いていたので、ケアマ ネが別の事業所へ依頼してくれたが、別途に利用者がヘルパーに直接依頼し、 ケアマネが調整したヘルパーを断った。そのことを契約した事業所のヘルパーに 話すと、ケアマネに悪いので訪問できないと言われ、年末年始期間のヘルパー派 遣がなくなった。今更ケアマネにお願いすることもできないので、介護保険外の ヘルプサービス事業を教えてほしい。 しょうがないよ、何回も言うが介護保険事業者関連一覧表を見ながら利用者と一 緒にケアプランたてることよ。 そこまで誰もわかっていないけぇのう、次はまだひどい苦情よ

訪問介護者が、個人のプライバシーに関わる事を外部の人にしゃべっており、 許せない。訪問介護は必要であるが、個人のプライバシーが守られないようであ れば、訪問介護員を家に入れたくない。訪問介護員をきっちり指導してほしい。 そのとおりよ、人の悪口を言うのが日本人よ、人の欠点をみつけて暴露し 哀れなもんよ。 もうすこし他人の気持ちになって考えればのう、子供でも理解できるよ、 次はまだまだひどい苦情よ

訪問介護事業者から、駐車場を確保するように言われ、有料駐車場を借りたが、 利用者が便宜を図る必要があるのか。 必要ないよ、営利業者だからのう。駐車違反にならないように各事業所で工夫 するのが本来のすがたではないか、またまたひどい話よ

家事援助のサービスしか必要ないのに複合型でケアプランを立てられており、 先日も通院の際、介助は必要ないと言ったのについてきた。また、移動のタク シー代を最初ヘルパーが立て替え、後で請求された。更に、契約書をなくした ため、写しを要求したが、原本が無いと言われた。こうした苦情を述べたところ、 あなた一人が客ではないとか、家事援助では儲けにならないなどの暴言を言われた。 「あなた一人が客ではない」との発想が狂うとるよ、保険をかけているのにのう それにしても「お客とは」失礼な言い方するのう、使ってはいけない言葉など 色々な研修でおそわっとるはずじゃのに事業主の考え方かもしれんがのう。 そんな事業所なんか怒っても時間の無駄じゃけえ相手にせんのが一番よ 「介護は心」との基本的なことが分かっていないのよ。建物ばかり立派でも ローソクではないが中身の芯がなかったらアイスクリームみたいに溶け元も 子もなくなるよ。芯のあるローソクは芯とローとともに共存してまわりに 優しい光を放ち希望と勇気を与えてくれるがのう 困った人を助けるのが人の道、言葉変えれば「福祉」よ。 ようじいちゃんが言寄った。

みぞそば        露草

昔の広島湾ではワチやコイワシやレンゴの群れが水面を音をたてながら泳ぎ
水しぶきがあがって凄かったがのう
今の広島湾の海水は赤茶けた色をして魚が死んだ臭いがし
見られたもんじゃあないのう
海の破壊・魚の全滅がちこうなったんかのう

8月の新聞に宮島水中花火大会見物帰りの船がカキいかだに乗り上げるなど
事故が八件相次ぎおきたと載っていた
見張り不十分などルール前方不注意だ、いかだの位置などホームページで
呼びかけていたとか言い訳ばかり言っているがつまらんのう
ワシが海上保安庁の職員なら闇の海上でも確認できるように
停滞物のイカダは前後に発光物を張るか置く等義務つけるがのう
それに夜間航行時は見張りおよび船長には
赤外線メガネを着用させ、事故を未然に防ぐがのう
事故が起きたあとの対策が大切なのよ、同じ失敗は二度と繰り返さないために

汚染は自然破壊と言われているが
自然がなにも破壊するもんかい、人災よ
むしろ自然は大型掃除機よ
人間がちびりちびり出している洗剤などの汚染が
堆積して海を殺しているのよ、はよう気がつかにゃあ
幼い頃干潮のとき腐った竹から海水を出していたら
ウナギが出てきてびっくりしたがのう

♪♪♪♪♪♪♪♪今は幸福かい♪♪♪♪♪♪♪♪

♪♪♪♪♪♪♪♪悔やんでみても♪♪♪♪♪♪♪♪

∵∵∵∵∵∵発想は素晴らしいがのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵今年も失敗したのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵いきな出し物を出すのにのう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵成功したら拍手かっさいは間違いないのに∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵相棒が結果を求めすぎて設計者を信じておらんけえじゃろ∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵そうよ、みんなから言われるよ∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵まあ愛嬌あいきょう∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵失敗は成功のもとよ∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵成功したらいけんよ来年の夢がなくなるけえ∵∵∵∵∵∵

∵∵∵∵∵∵これが癒しの心よ∵∵∵∵∵∵

 人の心の痛みや苦痛を感じるぐらいにならないと成長せんよ      

おかしなことよのう

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