トルコ旅行記2005 3日目

 早朝、バスの出発まで、ホテルの前で同じバスに乗り合わせた人達と話をしていると、目の前を3輪自転車の前の荷台に揚げパンをたくさん積んで走って行く12〜13歳位の少年を見た。今から売ってまわるのだろう。親の手伝いをしているのかもしれない。感心して見とれる。
 
 午前中は、
メブラーナ博物館 を見学。ここも庭が広く花が満開でとてもきれいな庭園だった。中には、イスラム関連のお経とかを展示してあり、マホメットのひげを40巻に布で包んだものがあった。イスラムでは、ひげとてね偶像信仰となり厳しいのだ。観光客の女性はスカーフを持っている人は、それを頭にかぶって見学していた。
 
 午後からはまたまた長い移動。パムッカレまで410キロの旅。
午後4時頃、
ヒエラポリス遺跡 を見学。ペルガモン王朝やローマ時代の都市遺跡など。まるで、ギリシャと錯覚するような風景。大きな柱。広い石畳のメイン道路の左右に建物の跡が並ぶ。この道を遠い昔、馬車が通ったかもしれない。墓地もあった。

 野原に大きな石の棺らしきものがいくつか見えた。その荒涼とした野原に、ところどころ、小さくて赤いかわいらしいけしの花が咲いていて(緑の中にアクセントのように目に飛び込んできた)何故か印象に残った。繁栄した昔を偲んで咲いているようで物悲しい気がした。
靴を履くため足を拭いていると、ニコニコしながら子供たちが沢山集まってきた。大変人なつっこい。仲良くなって、皆んなで写真を撮った。今でも、この時のことは、よーく覚えている。

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 バスで移動の途中に、リナルと言う町で休憩。名物の伸びるヨーグルトを食べてみる。若いトルコ人のお兄さんが、片手を高く差し上げて伸ばして見せる。どうだと得意そう。伸びるアイスも見たが不思議。とても濃厚でクリームチーズのよう。とろりとした蜂蜜をたっぷりかけて食べる。とても甘くてこくがあり、ヨーグルトとはこんなに美味しいものかと思った。日本で食べているものは、まだ薄い感じがした。トルコはヨーグルト発生の地。生野菜にそのままかけて食べたり水で薄めて飲むらしい。そう言えばトルコと国境を接するヨーロッパの国ブルガリアこそヨーグルトが有名だ。


Pamukkale
 再び移動。車窓に白い石灰岩が見えてくる。
パムッカレ に到着。パムッカレとは綿の城と言う意味。温泉リゾート地でここでもヨーロッパの団体が大勢訪れていてとても賑やかだ。特にドイツ人が多い。足湯につかる。持参した足拭き用タオルを片手に、靴を片手に持ってゆっくり中に入る。お湯はぬるく、ひざの半分位まで。底は温泉の成分だろうかぬるぬるしていて滑りそう。ゆっくりゆっくりへっぴり腰で歩く。子ども達や他の観光客達も滑りそうになり、あちこちでキャーキャーと叫んだり、笑ったりしている。
 よく太ったヨーロッパの婦人が私に「プリーズ、ケアフル」と声をかけてくれた。私も「サンキュー、プリーズ、ケアフル」と答えた。お互いに皆でそう声を掛け合った。各国の人々と思わぬ交流が出来て楽しかった。主人がトルコの子ども達と仲良くなり、私と子ども達を一緒に記念写真を撮ってくれた。10人位の男の子達で皆喜んで笑顔でカメラに向かってくれた。元気で明るいこの子ども達との写真は今では私の宝物だ。写真を撮り終え、子ども達一人一人と「サンキュー、サンキュー」と言いながら握手をした。皆争うように私に手を差し伸べてくれた。その時の子ども達の小さなかわいらしい手の感触を今でも覚えている。


  

  夕方、ホテルに到着。大きな温水プールがあったが、あいにく夕立が来て、泳げず残念。温泉観光地だけあり、近くにはお土産屋が並び夕食前に買い物に出る。青地に赤と白のギリシャ柄のトートバッグを買う。値札は、トルコリラ、ドル、ユーロと3種類で表示してある。さすがヨーロッパの観光客が多いリゾート地だと感心する。

 夜は、有名な
ベリーダンスのショウを見物。色白の美しい踊り子が、登場。激しいリズムに合わせて腰を振って踊っている。その後、客席から男性の客5人(皆、ドイツ人のようで、年配で堅物のような人達)をステージに上げ、踊り子と一緒に腰を振って音楽に合わせて踊るのだが、その格好のおかしいこと、堅物のような彼らが真剣に腰を振り踊る姿のギャップが面白く、会場は大爆笑。本当に面白かった。こんなに良い所がトルコにあるなんて知らなかった。3日ほどゆっくり滞在したいと思った。二人の娘達も一緒に連れてくれば良かった。見せてあげたかった。きっと喜んだだろう。ヨーロッパの人達はこのようにしてバカンスを思い切り楽しむのだなあと強く感じた。いつのまにか、「ここはトルコだ、用心しょう」という緊張感がなくなり、旅を心から楽しんでいる私。


トルコ旅行記2005 4日目   Efes
 朝6時前、コーランの大きなお祈りの声で目が覚める。聞けば、イスラム教では夜明けとともに祈るらしい。近くのモスクのミナレットのスピーカーから聞えてきたらしいが、驚く。風景はギリシャでも、ここはやはりイスラムの国トルコなんだと再確認する。
エフェソス遺跡 に向かって出発。185キロの移動。エーゲ海沿岸の古代都市遺跡。ローマ時代の体育館や、図書館、円形競技場(ローマのコロセウム)のようなもの等が残っている。本当にローマの遺跡を旅しているかのような錯覚を覚える。ここはトルコだということを忘れそう。遺跡のそばには、当時の栄華を懐かしむかのようにここでも赤い小さなけしの花が印象に残った。
 
 午後も、再び移動。250キロをひた走り、
エーゲ海 の側のホテルに到着。今までエーゲ海は、てっきりギリシャだとばっかり思っていたが、トルコの西側もエーゲ海沿岸とは知らず、驚く。大きなプールがある白いしゃれたリゾートホテルだった。夕陽が沈むエーゲ海の浜辺を主人と散策。小さく白いきれいな貝ときめ細かい砂を記念にと拾う。この海の遥か向こうはギリシャだ。昨年オリンピックが開催されたアテネもあるんだなあと思うと感激。、また、随分遠くまで来たものだなあと思った。途中でバスで通過したイズミールという街があったが、青い海沿いにオリーブの樹が風に揺れてギリシャのような雰囲気だった。何故かイズミールという街が気に入った。バスを降りて歩きたかった。



 トルコは、大きく分けて5つの地方に分けられる。黒海沿岸(魚が豊富)、東部(ノアの箱舟伝説)、内陸部(カッパドキア等厳しい自然)、地中海沿岸、そしてエーゲ海沿岸(どちらも温暖で住みやすいリゾート地)トルコの人達の理想の老後は、地中海やエーゲ海の近くでのんびりと過ごすことが最も理想的な余生の過ごし方だとクタイさんがバスの中で説明してくれたことを思い出し、トルコの人達がこういうところで老後を過ごしたいという気持ちがよくわかった。

              
                  トルコ旅行記2005 続きはこちら。


パドリアヌス神殿の内側。古代のトイレなんかもある。これは、仕切もなければ隣の人との間隔も狭い。古代人の生活感覚が見えてくる。
ずいぶん、遠くまで来たなあと暮れていくエーゲ海を見て思ったもんだ。写真の地平線左側がギリシヤ。