武道手引___
武道の発生と現在まで
日本は武の国と云われたほど武術が盛んに行われた国であるが,その日本で武術が行われるようになってから一時、全面的に禁止される(敗戦)までの1606年間、即ち仁徳28年(紀元1,000年、西暦340年)頃から昭和20年(紀元2604年、西暦1,945年)までの間、一体どんな武術がどれほど行われたか、武術研究所(故藤田西湖先生)の調査研究によると次ぎの30種である。
1. 剣術、2.居合術、3.柔術、4.空手、5.捕縄術、6.槍術、7.薙刀術(長刀術)、8.銃剣術、9.棒術、10.杖術、11.三ッ道具、12.乳切木術、13.十手術、14.手裏剣術、15.含針術、16.鉄輪、17.鎖鎌術、18.鎖術、19.鎌術、20.鉄扇術、21.弓術、22.打根術、23.菅矢術、24.手弓術、25.砲術(火術)、26.
馬術、 27.水泳術、28.兵法、29.吹針術、30.忍術・・・ETC
そして これらの武術がどれほど行われたか武道武術に関する一切の文献、伝書、巻物、帖、武術伝統系譜、武道武術者の手記、伝記、諸国藩誌、教育史、郷土史、各県地誌、市史、村史、人物史、墓誌等々を調べ、流派名のあるものはその術技別に分類してみると、
剣術 1,248流、 居合術 335流、 柔術 504流、 空手 47流、 捕縄術 84流、 槍術 298流、 薙刀術(長刀術)156流、 銃剣術
1流、 棒術 211流、 杖術 68流、 三ッ道具 34流、 乳切木術 10流、 十手術 37流、 手裏剣術 40流、 含針術 1流、 吹針術
1流、 鉄輪 2流、 鎖鎌術 80流、鎖術 26流、 鎌術 41流、 鉄扇術 21流、 弓術 134流、 打根術 1流、 菅矢術 1流、 手弓術
1流、 砲術(火術) 455流、 馬術 153流、 水泳術 92流、 兵法 272流、 忍術 71流 合計4,425流だけ判明した
その始祖 流祖 伝統者の重なる人物だけ挙げてみても2万数千名に達する、もって如何に武術が盛んに行われたかがわかる。
しかし、これほど多く行われた武術も明治維新後一時すたれた。明治28年 平安神宮建立と共に武徳殿を再興し古武術を保存し、国民の士気振興を計ろうとの議起こり、大日本武徳会が創立され、広く全国から武道家を集めてみたが、古くよりおこなわれた武術の流派道統を継ぐ武道者は、昔時に比べ少なかったようである。 これは要するに古武道が暫時失われていくためで、日本精神の根元を成す真の古武道が年と共に失われていく事は、日本文化のために惜しむべき事と云わねばならない。