短歌・俳句


6/29 北川貴和子さん
6/13 雅子
5/18 酒呑呆子
5/11 史郎 短歌
5/10 雅子さんの短歌
4/23 酒呑呆子 
4/12 雅子さんの短歌
3/29更新 小松清志さんの俳句
3/23 雅子さんの短歌
小松清志さんの俳句
2/3更新 熊沢サカエさんの俳句
1/26 吉岡さんの俳句
1/20更新 小松清志さんの俳句
12/28更新 北川貴和子さんの俳句
12/12更新 熊沢サカエさんの俳句
吉岡和子さんの俳句
中山信子さんの俳句
浜崎ツヤコさんの俳句



今、ここに、私がいて、感動したことが
俳句になると書かれています。
散歩していても、旅行していても、
仕事をしていても感動があります。
そのときの気持ちを俳句として表して
見ませんか。
季語があって、五七五なら俳句に
なります。
何に感動したかが俳句の主題です。
それを上手に自分の言葉で表現で
きればあなたの俳句となります。
ひらめき、感性が要るといわれま
すが、はじめからひらめきとか
、感性があるわけではありません。
たくさん作って、自分の感性やひらめ
きをみがいてゆけば、いいのではないでしょうか。
プロになるわけではありませんから、
自由に自分の表現を楽しみましょう。
皆さんの投稿をお待ちしています。
  2009.10.27                     増井さん撮影

大分俳句を投稿してもらいました。
いろいろな人のいろいろな句がでて面白いと思います。
何人か集まって吟行にでも行ければ楽しいですね。



蛍袋







12 4月の俳句

酒呑呆子

人語絶えこだまに乗りぬほととぎす

ほととぎす静寂破りの時を告げ

引き潮に棹強く差し蜆

筍の掘ってくれよと頭出す

山里の鳥語も絶えて残花舞ふ

山里に遠き山あり残花あり

茜さす静寂の底の雪柳

さざ波に亀鳴く林泉の緋鯉かな

光秀の夢散りし里竹の秋

耕しつ次の一手へ思案かな

落人の里ひとひらの余花に逢ふ

鈴蘭の故里離れ楚楚と咲き

万緑を掻き分け進む山紀行

碁敵の緑も音もなかりけり

俳句雑誌 ホトトギス 5月号 掲載句

稲畑 廣太郎  雑詠       稲畑 汀子  天地有情

風を切り児等の登校息白し         枯尾花浮けし朝日に風見ゆる

                            夜回りの声聞く静寂夜半の風

1月の俳句      酒 呆子
      

    
 初日の出カウントダウンに急かされて

     大海に躍り出づるや初日の出

     数の子の音を肴に酌み交はす

     手作りの飾納の火の粉かな

     日溜に丸集ふ寒雀

   日溜りの土の匂ひや春隣

     瀬戸内を渡る風にも春近し

     山里の春まだ遠き晨かな

冬桜清盛仰ぎ咲いてをり

冬桜清盛ブームの丘に咲き

早春の心も軽き散歩道

女正月出前肴の宴かな

女正月腕によりかけ鍋奉行

  2月の俳句     酒 呆子

節分の顔半分の鬼の面

菜園もこれからだよと春を待つ

故里のつらつら椿井戸端に

山彦のごと鶯の渡りけり

鶯の半人前の晨かな

茜さす棚田を渡る初音かな

潮先の朱の鳥居の春の雪

上着脱ぐ四温に浮かれハイキング

強東風にくしゃみの連鎖杉花粉

ものの芽のところ狭しの里曲かな

鍬避ししたたかものの地虫かな

突として鳴き声変はる初音かな


3月の俳句     酒 呆子

      春疾風車も転ぶ峠道

      故郷の海のさざなみ月朧

球磨川の棹さし渡る桜かな

若人の集ひし知覧桜咲く

散る桜さいはての海鎮魂歌

最果ての偲ぶ大和の山桜

指宿の砂に埋もるる朧かな

降臨の高千穂にに舞ふ山桜

山里の静寂を破る鐘朧

花の下水琴窟の奏でをり

桜土手地団太踏んで宴あり

雨に濡れまた一献の花の宴

茜さす雲と戯れ月朧

月朧温泉の街騒ぐとらの群れ

朝霞余韻残して船出かな

 俳句雑誌 ホトトギス 掲載句

2月号

  稲畑 廣太郎  雑詠       稲畑 汀子  天地有情

霧の朝出漁競ふ熱気かな            音もなくコスモス渡る風を見し

                                   船の旅月を肴に酌み交わす

3月号

  稲畑 廣太郎  雑詠       稲畑 汀子  天地有情 

 
 山里や独りぼっちで焚く落葉     銀杏は持ち込めないとバスガイド

                        故里の柚子取りにきし雨の中

4月号

稲畑 廣太郎  雑詠       稲畑 汀子  天地有情稲畑 

廃校となりし母校や帰り花          鐘楼の音を残して木の葉舞ふ

                          時なしの光と影の冬紅葉





   12月の俳句     酒 呆子

     曇天の平家の里へ波の花

     枯尾花浮けし朝日に風見ゆる

     初雪を押して旅立つ晨かな

     風を切り児等の登校息白し

     餅搗きの音に誘はれ児等集う

     閑かなる風籟渡る冬木立

     夜廻りの声聞く静寂夜半の風

     注連を綯い門松立てて神を待つ

     門松を据ゑて一献時を待つ

11月の俳句      酒 呆子

     廃校となりし母校や帰り花

     狂ひ花眼下の瀬戸に橋二本

     帰り花瀬戸の島へも過疎の波

     鐘楼の音を残して木の葉舞ふ

     故里の銀杏黄葉や人語絶え

     参道に音を鳴らして踏む落葉

     参道の風の転がす木の実かな

     里人の年忌営む時雨かな

     時なしの光と影の冬紅葉

     雨上がり雑木紅葉の輝けり

     駅燈に紫煙流れて石路の花

     うたた寝や小春日和の鳥の声

     廃屋の銀杏黄葉や山の音

 俳句雑誌 ホトトギス 掲載句

12月号

     稲畑 廣太郎 選          稲畑 汀子 選

古稀の宴朱の鳥居と船遊び   紅白の音を広げて蓮の花

               朝の野良トマトの彩を丸かじり

1月号

    稲畑 廣太郎 選          稲畑 汀子 選

颱風に雨待つ心ありにけり   厄日過ぎ願ひ空しく嵐来る

               虫時雨心も軽く畑仕事

短歌

        「歳だから」と遠慮ながらに切られゆく
                母のしろ髪かろやかに落つ       雅子
       
     (国民文化祭・京都2011  内藤明 選 入選作) 
      



‘11 ,10月の俳句

                  吞呆子

湯の宿の林泉に浮く紅葉かな

銀杏は持ち込めないとバスガイド

廃屋に山と積りし落葉かな

山里や独りぼつちで焚く落葉

山里や遠く近きに鹿の声

廃屋となりし故郷銀杏散る

自然薯の印を見つけしたり顔

参道も賽の河原も落葉

故里の柚子取りに来し雨の中

藷掘の蔓も欲しがる媼かな

俳句雑誌「ほととぎす」掲載句

0月号

   稲畑 廣太郎 選          稲畑 汀子 選

故里の目高も過疎となってをり     母の日や風樹の嘆を今に知る

                   菜園もぬか喜びの走り梅雨

11月号

   稲畑 廣太郎 選          稲畑 汀子 選

音もなく蛍の乱舞鬨の声        父の日やまた銘酒のみ届きけり 

                  老鶯や谷瀬の吊橋又訪はん

 ‘11 ,9月の俳句

                  吞呆子

音もなくコスモス渡る風を見し

船の旅月を肴に酌み交わす

宮島の禰宜大童秋の潮

霧の朝出漁競ふ熱気かな

晴天の野良に来て知る露時雨

唐辛子活けられてゐる真赤かな

菜園の唯嫌がられほたる草

松茸や音なき山に匂ひけり

芋の露悪戯受けて散る朝日

  2011、 8月の俳句         
                         
 酒呆子

過疎の地や所狭しとはたたがみ

夕立ちや帰路急く心濡れそぼち

颱風に雨待つ心ありにけり

早稲を刈るハングライダーの息吹かな

瀬戸の島芒の波に浮く夕日

仇敵の碁打ち時なし捨扇

太刀魚や釣果求めて島通ひ

露光る草叢揺れて朝日燃ゆ

秋鯖や刺身で一献釣り仲間

厄日過ぎ願ひ空しく嵐来る

虫時雨心も軽く畑仕事

山里の闇を包みし虫の秋

俳句雑誌「ホトトギス」掲載句



廣太郎選

7月号  遠き日の傷痕痛む木の芽時

8月号  火の国の出湯の里に聞く初音

9月号  パレードへ平和通りの若葉かな

 汀子選

7月号  瀬戸望む蜜柑の島に春の雪

     廃校の思ひにめぐる柳の芽

8月号  晴天の露天温泉に聞く初音かな

     菜の花も旅の終はりも夕靄に

9月号  けもの道鈴の音響く蕨狩

2011、 7月の俳句           酒呆子

朝まだき老鶯野良に迎えくれ

山野草萬緑の中楚々と咲き

紅白の音を広げて蓮の花

トタン屋根青柿落ちて奏でけり

古稀の宴朱の鳥居と船遊び

朝の野良トマトの彩を丸かじり



2011、 6月の俳句           酒呆子

時鳥一服の時告げており

栗の花野良帰りに香をもらひ

音もなく蛍の乱舞鬨の声

父の日やまた銘酒のみ届きけり

花菖蒲老若男女愛で集ひ

老鶯や谷瀬の吊橋また訪はん

故郷や背越の鮎で酌み交はす

梅雨晴れや東予の島々雲光る

夾竹桃ひろしまの地を今思ふ

廃屋や棘に守られ柚子の花



2011, 5月の俳句           酒吞呆子

菜園もぬか喜びの走り梅雨

野良に来て草笛高く風に乗り

鯖釣りや引きの強さにしたり顔

今年また何処から来しや根切虫

故里の目高も過疎となってをり

萍や郷に帰って祝ふ古稀

紫陽花や光と影の古稀の宴

鈴なりの我慢我慢の鰺を釣る



4月の俳句

呆子

すみれ草揺らめき語る過疎の里

今年また菜園の敵杉菜出づ

パレードへ平和通りの若葉かな

山里の畦を彩り芝桜

けもの道鈴の音響く蕨狩

過疎の里筍掘りへ獣たち

酌み交わす激語の中の花の宴

風湧くや負けじと古木花乱舞

ボランティア日暈の下に若葉風

同期会笑顔も花も今盛り

朝あけの潮入川の蜆

俳句雑誌 「ホトトギス」下記の句が掲載さる・・・

雑 詠     廣太郎 選          天地有情   汀子 選

3月号   帰路急ぐ大阪湾の月赤し    3月号  廃屋となりし故郷十三夜

                                石鎚の紅葉の山に深空あり

4月号   冬紅葉鈍く光るは天狗岩    4月号  山肌に朝日燦燦冬木立

5月号   冬木立光と影の浮世かな    5月号  通院の心も縮み冬の雨    

6月号 霜柱踏む音高く空青し    6月号  早春の色やはらかき夜明けかな





3月の俳句

                           呆子

野良仕事疲れ吹き飛ぶ初音かな

火の国の出湯の里に聞く初音

晴天の露天温泉に聞く初音かな

有明の霞の海に普賢岳

遠霞阿蘇の峰々茜さす

菜の花も旅の終わりも夕靄に

春の海峰より見ゆる大鳥居

春霞行き交ふ船の波白し

瀬戸の春潮間に浮かぶ手釣舟

呉港霞の中に巨船あり

春うらら煙たなびく呉の海

翠荘鶯鳴くや子規の里

春の日に田中求めて井原郷

天領や柳の堀になめこ壁

2月の俳句

呆子

瀬戸の島大渋滞の牡蠣祭

廃校の思ひにめぐる柳の芽

老翁の四温待てぬと旅に立つ

釣果なく漁師みやげの若布刈る

島人等春一番に憂いおり

瀬戸望む蜜柑の島に春の雪

遠き日の傷痕痛む木の芽時

菜園に春野菜求めて鳥けもの

人野菜恋焦がるるや春の雨




1月の俳句

                  呆子

早春の色やわらかき夜明けかな

大寒や歴史探訪震えつつ

霜柱踏む音高く空青し

初春や涙の孫のリフティング

東雲の旅に向かひて月冴える

野良に来て早春といふ息吹あり

節分の鬼にもなれず迷いけり

寒稽古悪路素足の鬼師範

勧められるままに俳句を始めやっと1年・・・

私でも出来る俳句というものを是非やってみられませんか

俳句雑誌 「ホトトギス」に亦、投稿をすすめられ今に至り・・・

下記の句が掲載される・・・

雑 詠         廣太郎 選

12月号   姿見せ香り近隣女王花

 1月号   秋暑し野菜も人も干上がれる

 2月号   十六夜の月と語らひ夜半の風

天地有情        汀子 選

 12月号   故郷の島と戯れ雲の峰

1月号   野良仕事仕舞へ仕舞へと虫時雨

  〃    虫時雨ところ狭しと庭に満つ

2月号   天高く尾根に立つ海青きかな

12月の俳句

呆子

熱燗に話も熱しクラス会

熱燗で体温め千鳥足

冬木立光と影の浮世かな

冬木立抜け行く先に雲浮けり

君もまた気まぐれものの冬の雨

通院の心も縮み冬の雨

人知れず会釈残してマスク顔

駅出口マスクマスクの人の波

日だまりの風にゆらゆら冬薔薇

飄々と道すがら見し枯尾花

古暦メモに埋もれて黒と赤

悴みて野良に茫然震えをり

冬の空抜け行く先にスカイブルー

機窓より冬日に映えるスカイツリー

ハマに来てベランダの富士凍えをり

朝な夕冬の富士山七変化

機上にて師走の富士に白と黒

11月     呆子

三瀧寺や初吟行の薄紅葉

吟行の鵯鳴くも静かなり

三瀧寺や黄葉紅葉の薄化粧

参道も一歩入れば猪の庭

木洩れ日の苔むす屋根に薄紅葉

神渡異常気象に遅れをり

今年また山茶花の咲く廃屋に

冬紅葉鈍く光るや天狗岩

瀬戸の海輝く彼方島紅葉

冬の海航跡残しゆく漁場

山肌に朝日燦燦冬木立

野良に来て挨拶残し尉鶲

10月の俳句  

     酒吞呆子

     島の田も野猪の庭となりゆけり

     藷掘りや老いも子供も鬨の声

     廃屋となりし故郷十三夜

   石鎚の紅葉の山に深空あり

   薄紅葉静けさ破る鳥の声

   比治山や小鳥天国薄紅葉

   森閑と人なき里や秋深

   草深き人なき里に秋の風

   父祖の地を訪ねし径や草紅葉

   あっぱれと親分逝きて秋深む

   閑かなり訪ねる山は薄紅葉





影野さんの俳句

    職辞して一人の時間 日向ぼこ

       冬うらら屋根より睨む 魔除獅子

       短日や掃除手間取る ウサギ小屋

    河豚さしに透けて牡丹の 大絵皿

       初日の出黄金の波の 瀬戸の湾

       空広しひらり風花 手のひらに

    瀬戸の海昇る初日に 心澄み

    足裏に霜柱の感 畦を行く

       谷底の細き流れや 冬紅葉

    石垣の隙間ひろごり 草萌ゆる

       薄氷の踏んで子供に 還へる朝

      友二人寄り道多し 春隣

   今を咲く紅白梅の競ひ合ひ

   まっすぐにのぼる湯煙 里うらら

      きらきらと水面に映る 猫柳

      卓に置く採りしばかりの 蕗の薹

      スーパーに若者の買ふ 春野菜

   隣よりタオル舞ひくる 春一番

      ほろ苦き土筆の味 母思ふ

      大あくび夫よりもらふ 日永かな

   潮待ちの路地に迷うや 雛めぐり

      潮待ちの町屋巡りや 日脚伸ぶ

   太公望背中並びて 春の水

      蛇行川沿つて菜の花 帯模様

      腰浮かせバスより春の 川を見る

      子を前に草餅つくる手慣れ技

   新緑に沈まんばかり 大鳥居

      薫風や粘土をこねて 地蔵像

   一面の花菜の中に 電車着く

   白日傘おしゃれ娘の なで肩に

   新緑やトンネル抜けて 弾む足

      親子して靴裏返し 花筵

   風光る烏止まりし 鬼瓦

   籠の貝隣と比べつつ 潮干狩り

      石投げし水面の波紋 風薫る

      薫風や髪を束ねて 友来る

   入梅や膝くずしての 手縫ひもの

   父の日にぶら下がりたる 太き腕

   時の鐘澄みし植田に 鳴り渡る

   装いやあれこれ着替え 立夏かな

   夢追ふて背筋弛ませ 夏衣

   七夕祭願ひの文字の みな光る

   陽の匂ひ添えて届きし さくらんぼ

   鮎の宿方言ゆたかに 箸すすみ

   夏雲ひとつ見上げゐる 山ひとつ

   ジャム作る梅雨のひと日をもてあまし

      通る人ごとに愛でゆく 蓮の花

      涼み台世間ばなしの 花が咲き

      おしゃべりの仲間三人 縁涼み

      花茣蓙に背筋ゆるめて 極楽よ

      冷たさの脳天にきし かき氷

   青蔦や球児迎える 甲子園

   嗣ぐ人無き家に青 蔦茂る

   赤とんぼ陽に透け透けて 風を待つ

   金杯の寿一字 敬老日

   母いますふるさと思ふ 敬老日

   高架橋より一望の 大花野

   赤い羽根胸につけて ニュースアナ

   秋行くや飛行機雲の まっすぐに

   天高し雲と走るか 親子連れ

   世界遺産の古道踏みしめ 秋惜しむ

      手のひらを重ねて木の実 小さき手

   ポケットの中でぬくもり 木の実独楽

      新米や届きし重さ 労ねぎらひ

   今年米湯気の匂ひも 違いけり

   秋風やオカリナを吹き 緩む顔

      霊山寺合わせたる手に 秋の風

   開け放つ部屋の奥まで 菊の香

      穭田やボール転がり 子戯れ

9月の俳句

                  吞呆子

      菜園に人待つ虫もをりにけり

   秋暑し野菜も人も干上がれる

   赤くなり陽を跳ね返す唐辛子

      夏野菜季節外れの花をつけ

   白露待つグランドのごとある畑

   天高く尾根に立つ海青きかな

   わが妹と酌み交わしけり夜半の秋

   稜線を秋の夕暮れ染めゆけり

   釣り日和空には泳ぐ鰯雲

   彼岸花鉄路赤く染めており

   赴任地や肴秋刀魚の独り酒

   十六夜の月と語らひ夜半の風

   秋高し行き交ふ船の白い波

   秋高し瀬戸を見下ろす赤い橋







   





短歌



           嫁さんを娘と呼ぼう私の口紅選びを共にする時

         水飲めば涙となりてこぼれ落つ夫思う時の錯覚なりや

         夫 … つま と読みます              雅










       短歌

           ようやくに夏の熱気の冷めしかば秋の冷気に秋の虫なく

         果て見えぬ残暑さえぎるものとして台風の雨乾く大地に

         窓開けて前にたたずむ青き山赤とんぼの群れ通り過ぎたり

         灼熱の大地を避けて種をまく白菜の芽のことごとく出て

         灼熱の畑に水を撒いてゆくいくらまいても吸い込まれゆく

         炎天のおさまりし畑に水を撒くとのさまがえる飛び込んでくる

         枯葉の上に降る雨に似て音高く乾く大地にもう少し降れ

         揚羽蝶天女の如く舞い下りて炎天の地に暑さ忘れる


               
                                    史郎

            

短歌


         飲み会の雰囲気ひっさげ子の来たりさらりとしたる梅酒さしだす
 
      洗濯を娘に任せて母の言う「横着者に吾はなりたり」
 
                                                            雅子         
 




         





                 
8月の俳句

                 酒
 呆子


  姿見せ香り近隣女王花

夏野菜天候異変にたゞ涙

トマト食む烏の智恵に網掛ける

 西瓜食う狸に烏ヌートリア
 
  故郷の島と戯れ雲の峰

少年の夢を育む雲の峰

朝霧の晴れ行く先の青き空

老鶯の声の目覚めの谷渡り

沖縄やハイビスカスと青き海

虫時雨所狭しと狭庭満つ

菜園の時を告げるや虫の秋

野良仕事帰れ帰れと虫時雨

赴任地や大きな月と酌み交わし

帰路急ぐ大阪湾の赤い月


  俳句       

             
ゆうかりの枝伸ぶ濠に鯉群るる(被爆樹)
       蝉しぐれ逓信隊の扉鎖す
       炎天の大本営跡異国人
       蝉時雨天守閣にて高く聞く
       夏木立礎石に影の揺らぎをり

                              浜崎ツヤコ

短歌

道の辺にアイコンタクトとる二人父は屈みて子は仰ぎ見て

ビーグルのアランドロンは振り返り遠吠えをする返事のように

                                  雅子


                      



七月の俳句呆子


父祖の地で遠き日思ふ昼寝かな

ココクジラ母子なかよく昼寝かな

吾妹子願い叶えよ星まつり

帰り求むるものはただ昼寝

七夕の願ひ届けよ幼子に

那智の滝神様そこにおわするを

露涼し小道たどって菜園へ

目に涼し光さえぎる葉のカーテン

道迷ひ音をたよりに滝探し

菜園は朝日迎えて露涼し

踊り子や滝を求めて伊豆の道

菜園や夏草どもと格闘技






俳句   吉岡さん

     巡礼で朧月見る露天風呂
     雲の峰歩き遍路に玉の汗
     遍路道山の恵みか岩清水
     わさび田を守る若人伏流水
     木々芽吹き四季折々の遍路道

     街中の癒しの道に葱坊主
     山中に空木見つけて夏感じ
     万緑や我も我もと新芽伸び
     風化する岩に刻まる仏たち
     七色の寄せ植えたのし集いかな

     寒北斗見上げて歩くパトロール
     屋形舟流れ切裂き川登る
     曇天や拓友よ眠れと記す碑あり

    短歌

      形見なるコーヒーカップに在りし日の友を思えりなお語りたし
 
      五歳の児「ぼくは男」と言いはりて親と一緒に男湯に入る
 
                                              雅子
 


      短歌                                           shiro                            

        母は母の道生きてきて車椅子線香花火の序破急に似て

     蜘蛛の巣を付けて帰りて休みおりイチゴそら豆抜きて耕す

        母帰るショートステイの緊張か暫く泣きてやがて眠れる

        6月の畑にヒヨのつがい来る子育ての今ひるむことなし

        励まして助け合いして生きてゆくきれいな瞳濁らすなゆめ

     暫くは和む気持ちになっていし時静かなる流れの中に

      ただ一人旅立ってゆく母なるか車椅子にて頭を垂れる


   俳句  北川貴和子さん

    在学中の9月より始まりましたお遍路が、このたび9月の「高野山」
    
を残し6月無事満願致しました。
    
参加者 杉田さん、北川さん、屋野丸さん、神田さん、吉岡 計五人です。
    
遍路途中詠まれた俳句を紹介します

  

              石段を息つぎのぼる遍路かな
        万緑や八千体の磨崖仏
        甘酒の熱き賜る薬師堂
        藍匂ふ札所の宿の初のれん
        満願の一団阿波の風薫る



6月の俳句                          酒呑呆子
空梅雨に 雑草たちも 息詰まり
菜園も ぬか喜びの 走り梅雨
さくらんぼ 毛虫と共に 暮らしおり
筍も 一番膳は 猪親子
梅雨空に 大地潤い 人しぼむ
父の日や 拳骨の味 今おもふ
草深き 廃屋に咲く 七変化
紫陽花や いきいき咲くも 空暗し
菜園は 雑草どもの 宴かな
手水うけ 咲き移ろうや 七変化 
父の日や 目指せし父の 歳こゆる

短歌雅子

    県道をすばやく渡る子狸よ如何に変われどおまえの古里

   「奇なるもの」コーヒー届きしその昔移民の叔父の覚悟を知らず

5月俳句投稿

呆子

母の日に風樹の嘆を今に知る

母の日に鼻歌きげん花届く

母の日や厳しき妣を思いけり

母の日に悔ゆる心の子が一生

宵宮に競ひ頬張るりんご飴

祭笛頭屋は人で姦しき

夏野菜寒さに負けて発芽せづ

瓜苗も寒さ厳しく部屋の中

野菜苗今夜も出でし根切虫

爽やかに満ちたる心地若楓

筍も人より先に猪喰らう

短歌史郎

家に火を点けたるごとく霧島は母の帰りを迎えていたる (霧島つつじ) 

たらの芽と竹の子コゴミ天ぷらに春の食事の豊かなること

春眠を雨滴が覚ます春の雨種に芽生えをやさしく問うて

車椅子の母に見せたる霧島は昔のことを語りかけしか

ゴビ砂漠海を隔てて黄砂来る寂しき色に空を覆いて

千鳥別尺ヤマザクラ

 蛙鳴く水田に影を山桜 風に乱れてたじろぎもせず

日に光り風にそよぎて山桜ひねもす鳥と宴せしかな

 水田映る千鳥別尺山桜シャッターチャンスひたすらに待つ

広島の桜

・ 高らかに春を謳歌す鳥の声姿求めてしばし佇む

・ 花冷えの続けば桜散りもせで誰か恨みを言うべくもなし

・ 川に散る残りの桜見つめつつ名残の夢が散ってゆくらし

・ 訳もなく散ってゆくのも桜なら今しばらくは眺めていたい

・ 我を見て蟹一斉に穴に消ゆまだ春浅き川の干潟に

・ 散る桜雀きたりて一日を花と一緒に遊んで過ごす


 京都、兵庫の思い出 456 京都で友と会う

 

・ 千年の思いを秘めて御所に散る桜は昔を語らざりけり

・ 30年時を隔てし友と語るビールも酒も途絶えてもなお

・ 須磨明石同じ嵐に散る桜波のまにまに漂うままに

・ 加茂川の桜を見つつ祇園にと京の桜の尽きることなし

 野菜作り

・ 鵙がきて畑打つ我を眺めいるただひたすらに畑耕す

・ 霜降りしキャベツに青虫這いたれば命の重さひしと感ずる

・ 赤燃ゆる深山霧島咲きしかば命の叫びと思いたりしを


短歌雅子

寝ながらに足を動かす老犬は
        野を駆けめぐる夢を見るかも


射るごとき金の目に見る猫ひとつ
        瀬戸の岬を塒(ねぐら)となせり

俳句

  呆子

移ろひし 花の命は 山の中

桜狩 吉野の山は バスの列

結果待つ 咲く前に散る 桜あり

醍醐寺や 百歳(ももとせ)誇る 花の宴

吾が妹と 惜春の情 今さかり

吾が妹と 老いの坂道 春惜しむ

菜園に 手入れ届かず 春惜しむ

杖立や 川に数多(あまた)の こいのぼり

過疎の里 いきいき泳ぐ こいのぼり

春惜しむ 時は変わりて 幾歳ぞ

菜園に 雑草のみが 春惜しむ

短歌

    尾関山の麓の菜の花咲くところ音なく春の雨降りつづく
 
    女の子迎え入れたる心地せる淡きピンクの花束届く
                                                  
                                                雅子

小松清志さんの俳句

芽柳よ 川辺にそよぎ 誰を待つ

芽柳よ 悲しみこらえ なぜそよぐ

学び舎の 芽柳の下 巣立ちゆく

折り紙で 鄙の里にも 雛飾り

喫茶店 手づくり雛の 憩いの場

過疎の里 主なくとも 雛飾り

山里に 子らの競ひし 土筆とり

菜園に 地獄の使ひ 土筆くる

地獄から 便りも持たづ 土筆くる

蒲公英の 恋占ひで 元気出る

蒲公英も 君と同じく 旅立つの



短歌17期生  

  ・ 絵手紙教室にしだれ桜を描きては私のようねと誰か声あぐ

  ・ 花びらはアートの丘にふりつぎてピンクの絨毯手に柔らかし

                                 雅子


小松清志さんの俳句

伊吹山 盆梅展の 季節くる
 
山里に 老梅たちの 花の宴
 
盆梅も 時空を越えて 香る朝
 
廃屋の 主なくとも 梅の花
 


陽だまりに これでも咲けぬ 冬薔薇
 
梅香る 凪ぐ瀬戸内に 自衛艦
 
ものの芽に 小さき虫の 歓喜あり
 
ものの芽に 集う鳥たち 姦しさ
 
ものの芽も 出づるや待つか 思案とき
 


一輪で なかなか散れぬ 冬薔薇
 
水温む 岩をも染めし 鵜の集い
 
どの芽にも 競ひ出づるや 菜園に
 



熊沢サカエさんの俳句

火の用心 寒さこらえて 児ら歩む

夜の空 火の用心の 子らの声

新年の 箱根駅伝 一里塚(駒ケ岳)

万両の 赤い実をつけ 雪に映え

池の底 コバルトブルー 九塞溝

花びらが 一本の川へ 流れ落ち

静と動 夢と現実 追いかけて

夕陽さす 水平線へと 吸い込まれ

空と海 蒼色に溶け 雲の中

リズミカルに 舞い降りてくる 風花か

吹く風と ほのかな香り 大空へ

風寒し 花のこぼれる ほのかな香

冴えわたる 寒さの極み 身の震え

幾重にも 思いの流れ 甦れ

白い紙 絵の具を溶かし 重なって

筆の先 ためらいながら 押し入って

炎の中に ぬらりめらりと 舞上がる

もみじの手 無心に遊ぶ 遠き日の

なつかしい 時間よもどれ よみがえれ



吉岡和子さんの俳句

今日もまた未練残して柚子湯の香

極楽のあまり風受け羊歯ゆれる




雀きて雪の中より藪柑子

蜆漁背中丸めてにわか雨

人去りて花びらのこるベンチあり

干し柿を吊るして空の雲を追う

年の瀬や寂しさ分け合う人もなく

散る葉にも七難八苦納め札

橙やつながる命この重み

走り根を踏みつ避けつつ古道行く

もみを焼く農夫の腰の曲がりけり

風流れ散る山茶花や年の暮れ

侘び助を夫に一枝もらい来る



黄金色銀杏落ち葉が風に舞い

初春や堀のおしどり朝日浴び

新春の潮の流れの穏やかさ

走り根を踏んで神社に初詣

万両をバッサリ切って墓に活け

福寿草百まで生きると母元気

木守柿枯野にそっと彩をそえ



寒木瓜(ぼけ)やここも空き家となりにけり

古里の行方案じて木守柿

苔の上真紅の紅葉はらはらと

麦の芽の整列みごと土匂う

枯れ草の中に一株すみれ咲く


小松清志さんの俳句

たくさんの会員の皆様もされる俳句と言うものを、私もしてみむものとして
 五・七・五を並べてみました。

さ~て これからどないなものが出来ることやら、心ある諸兄姉の皆様どうぞ
ご指導宜しくお願い申し上げます。

まず1月の句お題は 初電話と水仙

お題受けまだかまだかの初電話

愛し声帰れぬ孫の初電話

弾む声遠きに住む孫初電話

初電話孫の明るさたのしけり

渋滞を帰阪せし子の初電話

   その2週間後の句

背に負いし水仙売の崖登り

水仙も生業なりや越前路

曇天の越前岬野水仙

ふくいくと夕日に映ゆる野水仙

朝まずめ瀬戸の故郷野水仙

野水仙紀淡の海に香まく

香り散る瀬戸の小島の野水仙



 
北川貴和子さんの俳句


 野水仙 (淡路島の思い出)



  島裏のなぞへ一面野水仙

  落日の灘に水仙片向けり

  黒潮を遠くに島の野水仙

  沖に向く島の地蔵や野水仙

  小さき石積む段畑梅真白






    


 熊沢サカエさんの俳句

紅葉染む石段登り竹林寺

静寂の流れる川に木の葉舟

鰯雲花びらどこへ宙(そら)高く

紅葉を差し込む光顔照らす

ひらひらと川面に落つる一葉舟

清らかな秋の恵みや空気の香

つややかに赤く染まりし紅葉の葉

まろやかにこだわりを捨ていくがいい

声がする遠くで犬の呼ぶ声が

生きたいと同じ時(季節)なし風の中  
(木枯しや今日という日は2度となし)

足止める人はしばしば振り返る
(足とめて釣瓶落としに振り返る)


吾亦紅丸い花穂に癒される

降り注ぐコスモスの花朝日差


秋深き白川郷の粧いけり

紅葉が私を染めた美の世界

小春日や花の香りに風の色

月明かり黄金に染まる銀杏の葉

思い出よ心の中に溶けて見よ
(思い出よ秋の日差しに溶けて見よ)

踏みしめて紅葉の螺旋のぼりつめ

紅葉も燃え尽きて一葉残す



季語がないものは少し変えてみました。
季語は背景になりますので、入れるようにして下さい。
           叶谷


 吉岡和子さんの俳句



         晴々としっかり握る千歳飴

       七色の爪も鮮やか足湯かな




        気合入れ火渡る子に願う母

       火渡りの民にやさしく山の風

       廃屋に絡まる蔦の行き場なし

       廃屋や見る人もなく石蕗の花

       秋晴れやダウンの子持つ母強し

       紅葉狩りダウンの子の手の暖かき

       松茸の香り久しくバーベキュー 

       ひと隅を黄色く染める石蕗の花

       ほの淡く垣根彩るお茶の花

     石蕗の花


        
何想い庭のつつじの返り咲き

       車中よりパノラマの如見るもみじ

       石仏の並ぶ岩肌山もみじ

       苔むして昔を語る道祖神

       杉木立もやに包まれ古道行く

       海軍墓地馬酔木の花が癒しおり

       紅葉越し景色楽しむ老夫婦


   火渡り


 吉岡和子さんの俳句

       山笑う歩き遍路の髪なびく            鬼灯や理由(わけ)などなくて懐かしき

      
山笑う近くに寄ったり離れたり          七夕をかつぐ園児の肩せまし

     
 田植え済みお疲れさまと山笑う         秋暑し追いつ追われつ赤とんぼ 

      
山笑う順番待ちの札納め             初嵐ひとつ年取る敗戦日

     
 道端に昔なつかし相撲草             薫風や蝉のぬけがらキラキラと

     
 夾竹桃今年も満開広島忌            年かさね平和の鐘をひとつ打つ

      
万緑に彩り添える山つつじ            修行者と滝に打たれる水引草

      
色づいたアジサイの花雨はじく         珍しき鏝絵(こてえ)なるもの蝉時雨

      
母ゆきて法事の席の蕨もち             

     
 黒南風を背に釣りをする男あり      (くろはえは梅雨の頃吹く南風)

      海霧の中寺に急ぐか遍路バス       (ジリ中と読みます。ジリは夏の季語)

      はんなりと平和を祈るハスの花

      炎天の匂い集める雨しぶき

      暗闇に茅の輪くぐって母想う        (茅の輪くぐりは陰暦6月晦日に行う祓いの儀式)   
                                                       

       

中山信子さんの俳句

  



























         
     

       窓越にかわいい鳴き声雀かな
       竹の子が今が出番と顔をだす
       ほんのりと苺の香りに手が出そう
       線路沿い恥ずかしそうな土筆たち
       お雛さま出せば娘の顔浮かぶ 

     夏

      夏祭り窮屈そうな金魚たち
      風鈴のかすかな音の心地よさ
      紫陽花の雨の雫のうつくしさ

    秋

      大粒の赤い葡萄はワインかな
      散歩道ふと足止める野菊かな
      秋の世に孫の写真で時忘れ
      柿のみを上手に皮むき母思う
      我が家から遠くのほうでお囃子が
      垣根から香り漂う金木犀
      秋祭り鬼の姿に子供泣く
 

    冬

      手を流る水の冷たさ初冬かな
      つれづれに思い耽りて毛糸編む
      今年こそ年賀の便りは毛筆で

 



浜崎ツヤコさんの俳句 



                         この季節 もぐら は冬に備えて活動中 ご存知ですか?
  日矢                広島県北の吾妻山のふもと 庄原市比和町には日本一        
  小さな比和町立自然博物館が
  あります。15万点の動植物の標本が収蔵され、とりわけモ 
  グラ類のすべてがわかるといいます。
  穴掘り名人のモグラの通ったあと土が盛り上がる、餌は 
  ミミズが主食で昆虫しか食べないので作物に害はないのですが、
  モグラ打ちされるのは通った穴が木の根、作物の根をいためるか
  らです。やわらかくすべすべした光沢のある毛~この皮は20世紀に
  入るまで乗馬服にも用いられたといいます。
  モグラは視力がほとんど無く、振動に敏感な動物、人の足音がすれば
  近づかないのです。この秋は比和町から吾妻山へ、また北広島町八幡高原
                     にてモグラの跡ばかり~一度見てみたいのですが。





草紅葉


      
  朴散る音ばかりなりもぐら塚

           草紅葉三尺置きにもぐら穴

               黄落やもぐらの土を踏んでみる

                 末枯やもぐらの巣穴あらわるる

                    日矢させる霜置く朝のもぐら穴   


 




 この秋は足元にばかり目が行きました。