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八反がえし「石井常右衛門・高尾頼みの段」

 当一座が誇る演目の一部で『御殿』の場に用いられるものです。
狭い舞台に豪華壮麗なお座敷が幾重にも重なっている様を襖一つで,限りなく広く深く見せている情景です。
 その方法は,一双の襖を約1メートルの奥行きの間に八重に重ねて吊り,三味線に合わせて順次一双ずつ左右に開けると,次の座敷の襖が見えるというわけで,見物客をアッと驚かせる効果がある。曲調の性質上,そのほとんどが屋内の愁嘆場であるので,背景の変わらない舞台に,せめて変化を見せようとしたおもしろい趣向である。